HPIが発表したメタマテリアルを材料ではなく機械として捉えるアプローチ

Metamaterial Mechanisms

本研究は、ドイツの情報技術研究所であるHasso Plattner Institute(略してHPI)が発表し、2016年度のUIST(ACM Symposium on User Interface Software and Technology)会議のHonorable Mention Awardsにも選ばれています。

動画にあるような3Dセルグリッドのオブジェクトは、メタマテリアルとも呼ばれます。メタマテリアルは、材料として理解されていましたが、この研究では機械と考えた所がこの研究のポイントだそうです。
ユーザーがメタマテリアルを効率的に作成できるようにするために、専用の3Dエディターを実装することで、せん断セルを含むさまざまな種類のセルを配置できるため、オブジェクトに機械的な機能を追加できるとのことです。同時に、ユーザーが編集中にデザインを検証できるように、オブジェクトが応答してどのように変形するかをシミュレートできると報告しています。

3Dプリンティング技術を使い、複雑な内部構造を持った構造物を作ることが可能になっている背景もあり、特殊な物理特性を示すメタマテリアルを作成するための手法やシュミレーションを検討する研究が増えてくるかもしれません。

[1] : Ion, A., Frohnhofen, J., Wall, L., Kovacs, R., Alistar, M., Lindsay, J., … & Baudisch, P. (2016, October). Metamaterial mechanisms. In Proceedings of the 29th Annual Symposium on User Interface Software and Technology (pp. 529-539). ACM.

URL : https://dl.acm.org/citation.cfm?id=2984511.2984540

消費者のエンゲージメントを最大化するARを用いたユーザーエクスペリエンスの設計

「Augmented reality: Designing immersive experiences that maximize consumer engagement」の画像検索結果"
Figure 1. ARマーケティングのENTANGLE [1]
(論文[1]のFigure 4より引用)

革新的なマーケティング担当者は、拡張現実を活用して、ブランド体験を巧みに作成し、よりインタラクティブな広告を作成し、消費者が斬新な方法で製品やスペースを体験できるようになりました。拡張現実(AR)とは、現実世界のオブジェクト、人物、または空間のリアルタイムのビューにデジタル情報を表示することができる技術です。
ただし、市場で効果的なARプログラムを実行する方法や実行方法についてはほとんど知られていません。

インディアナ大学とメリマック大学の研究者チームで、拡張現実の有効成分と無効成分を記述するフレームワークを提示し、キャンペーンを計画する際にマーケティング担当者が行う必要がある基本的な設計について説明しています。
さらに、さまざまなアクティブおよびパッシブAR成分間のダイナミクスを理解して対処することで、マーケティング担当者がARキャンペーンを最適化し、ユーザーブランドエンゲージメント、ユーザー同士のエンゲージメント、およびユーザーとバイスタンダーエンゲージメントのさまざまなタイプの消費者エンゲージメントを強化する方法を説明しています。
フレームワークと分析を通じて、8つの実用的な推奨事項を作成し、頭字語ENTANGLEで説明しています。

拡張現実には、統合マーケティングプログラムに独自の貢献をする強力な可能性がありますが、デジタル情報を社会的および物理的な世界に巻き込む没入型の消費者体験をどのように開発できるかを考えなければならないとし、マーケティング担当者は、消費者を喜ばせ、画期的なARプログラムを提供するのに適した立場にあるため、様々な要素を考慮した計画を立案する必要性がある、と締めくくっています。

[1] : Scholz, J., & Smith, A. N. (2016). Augmented reality: Designing immersive experiences that maximize consumer engagement. Business Horizons59(2), 149-161.

URL : https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0007681315001421

幼児教育のためのAR技術で開発された教育用おもちゃとその効果

Figure 1. EMT(教育用の魔法のおもちゃ)のサンプル画像 [1]

子供たちの経験を形作り、想像力を高め、行動に影響を与えるおもちゃは非常に重要です。最近、おもちゃはデジタル特性を獲得し、多くの子供たちがそれらを使用する傾向があります。
時代を経るにつれ、子供たちがデジタルデバイスやデジタル情報に触れる時間は長くなっています。

トルコのアタチュルク大学で行われた研究では、ARと呼ばれている拡張現実技術を使用して、教育用の魔法のおもちゃ(EMT)が開発され、その効果を立証するための実験を行い、論文として成果報告しています。
ストーリーアニメーション、3Dオブジェクト、フラッシュアニメーションなどの仮想オブジェクトが表示され、幼児教育の平均5才から6才の年齢の子供向けの動物、果物、野菜、車両、オブジェクト、職業、色、数、形を教えるためのパズル、フラッシュカード、マッチカードが含まれているそうです。

この研究の目的は、EMTについての教師と子供の意見を明らかにし、子供の行動パターンと認知達成度、およびEMTをプレイしている間の関係を判断するためでもあったそうです。
幼児教育の30人の教師と5才から6才の33人の子供で構成されたサンプルを用い、データ収集ツールとして、調査、観察、インタビューのフォームが使用されました。
結果、教師と子供がEMT活動を好むことを明らかにしました。さらに、子どもたちはこれらのおもちゃでインタラクティブに遊びましたが、高い認知到達度はありませんでした。この点から、これらの玩具は幼児教育で効果的に使用できると言えます。ただし、これらのおもちゃを使用した共同学習およびインタラクティブ学習を提供する必要があると結論づけています。

[1] : Yilmaz, R. M. (2016). Educational magic toys developed with augmented reality technology for early childhood education. Computers in Human Behavior54, 240-248.

URL : https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0747563215300510#!

窒化ガリウム(GaN)を用いたCMOS電界効果トランジスタ(FET)技術の最初のデモ

同一Wafer上にGaNのNMOSおよびPMOSを製造するための基本プロセス [1]
(論文[1]のFigure1より引用)

HRL Laboratoriesに所属する研究チームが、窒化ガリウム(GaN)相補型金属酸化物半導体(CMOS)電界効果トランジスタ(FET)技術の最初のデモを報告し、その研究成果を2016年度のIEEE Electron Device Lettersに寄稿しています。

昨今GaNエレクトロニクスは進化をしており、電力スイッチングやミリ波、マイクロ波のアプリケーションでも優れた性能を示しています。このパフォーマンスを最大限に活かすためには、プロセスのコスト削減が必要であり、同時にスイッチングと駆動回路を同じチップ状に載せることが寄生インダクタンスを最小限に抑えるためのアプローチだそうです。

本論文では、同じウェーハ上にGaN NチャネルMOSFET(NMOS)とPチャネルMOSFET(PMOS)の両方の構造を作成し、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)で成長させたAlNとSiN誘電体スタック膜は、NMOSとPMOSの両方のゲート酸化物として機能し、電子移動度が300 cm2 / V-sec、正孔移動度 20 cm2 / V-secののNチャネルとPチャネルを生成したそうです。
GaN CMOS技術を使用して、機能的なインバーター集積回路(IC)を製造し、特性評価をして、その結果を論文として発表しています。

[1] : Chu, R., Cao, Y., Chen, M., Li, R., & Zehnder, D. (2016). An experimental demonstration of GaN CMOS technology. IEEE Electron Device Letters37(3), 269-271.

URL : https://ieeexplore.ieee.org/document/7373586/authors#authors

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