モジュールタイプのウェアラブルアンテナ用テキスタイルパッチ

報告されている3つのパッチモジュールが搭載されたアンテナ共通ベース [1]

オーストラリアのアデレード大学の研究チームは、市販のスナップオンボタンを機械的および電気的(RF)コネクタとして利用するウェアラブルアプリケーション向けのモジュラーアンテナ設計を提案しています。

アンテナの共振周波数、偏波、ビーム方向などのさまざまな機能を提供するために、さまざまなテキスタイルパッチモジュールを設計できるそうで、これらのモジュールは、グランドプレーン、基板、オープンマイクロストリップラインで構成される一般的な近接給電ベースに接続できます。
このアンテナ設計は、製造および保守コストが低いなどの利点をもたらし、多機能ウェアラブルシステムのシステム特性を再構成する受動的な方法を提供できると主張しています。
測定結果は、シミュレーションと非常によく一致しており、人体の近くと小さな半径の曲がりによるアンテナ特性への影響も調査されています。

コンセプトを検証し、このタイプのモジュール設計が、ウェアラブルアプリケーションに役立つことができ、便利で受動的で低コストで汎用性の高いシステムを提供する、と主張しています。

[1] : https://www.semanticscholar.org/paper/A-foldable-textile-patch-for-modular-wearable-Chen-Ranasinghe/913f8ad7ac4791a7db9810d1a7e55f0563929f4e

[2] : Chen, S. J., Kaufmann, T., Ranasinghe, D. C., & Fumeaux, C. (2016). A modular textile antenna design using snap-on buttons for wearable applications. IEEE Transactions on Antennas and Propagation64(3), 894-903.

URL : https://ieeexplore.ieee.org/document/7381636

物理インターフェースを透明にする方法とは

[UIST 2016] Changing the Appearance of Physical Interfaces Through Controlled Transparency

「ACM Symposium on User Interface Software and Technology」、通称UISTと呼ばれるユーザーインターフェースに関する年次会議の2016年度で報告された内容です。

本論文では、透明度を制御することで外観を変える物理インターフェイスを提案しています。これらの透明度が制御された物理インターフェイスは、光学的な外観による通信で十分なアプリケーションに適しています。それらは数ミリ秒以内に知覚された形状間を遷移し、機械的に動く部品を必要とせず、ほとんどエネルギーを消費しません。透明性が制御された1枚のシートをレーザーで切断して折り畳むことにより、個別に制御可能な部品を使用して3D物理インターフェイスを構築します。電気接続は表面に刻まれており、個々の部品を配線する必要はありません。

本論文で提案しているプロトタイプからもわかるように、現在の形を変えるインターフェースを補完するものになる、と著者らは考えているようです。論文中で提案しているインターフェイスは、見かけ上の穴を開けたり、オブジェクトを入れ子にするなどのユニークな利点があり、設計スペースを特徴付けることにより、透明度が制御された物理インターフェイスの利点を探っています。2つのアクティビティインジケーター、遊び心のあるアバター、動的な外観のランプシェードの4つの物理プロトタイプを紹介しており、User Interface観点では応用性が高い技術となっています。同時に、なぜ透明になることが重要かについてもDiscussion部分に記載があり、考察度が高い論文です。

[1] Lindlbauer, D., Mueller, J., & Alexa, M. (2016, October). Changing the appearance of physical interfaces through controlled transparency. In Proceedings of the 29th Annual Symposium on User Interface Software and Technology (pp. 425-435). ACM.

URL:https://dl.acm.org/citation.cfm?id=2984556

革新的なリーダーが人々の行動を促す理由とは

How great leaders inspire action [1]

リーダーに従うのは、その人のためでなく、自分自身のためです。そして「なぜ」から始める人が周りの人を動かし、さらに周りを動かす人を見出せる力を持つのです。
We follow those who lead, not for them, but for ourselves. And it’s those who start with “why” that have the ability to inspire those around them or find others who inspire them.

出典:How great leaders inspire action

このように語るのは、イギリス系アメリカ人の著者であり、組織コンサルタントであるサイモン・オリバー・シネク氏です。[2]
この動画の中で、サイモン氏は、我々がなぜリーダーに惹かれるのか、その理由を事例をあげながら多く紹介しています。
例えば、消費者がAppleが発表した新製品を買うときに、一週間待ったら普通に並んで買えるのにも関わらず、店頭に数時間も並んで購入する姿をよく見ます。サイモン氏曰く、その行為そのものは彼ら自身のために並んでいるわけであって、Apple製品のSpecに惹かれて並んでいるわけではない、といった、私達が日々直面する出来事など身近な事例を引用して説明していたり、ライト兄弟やキング牧師の歴史的に有名な事例を引用して説明してくれています。

この動画には、私達の行動の源泉が、モノやコトを求めるわけではなく、目的を求めて行動することがわかり、そういった「なぜ」を追求して説明するリーダーに惹かれる理由が隠されていると思います。

[1] : https://www.ted.com/talks/simon_sinek_how_great_leaders_inspire_action

[2] : https://en.wikipedia.org/wiki/Simon_Sinek

何を作るかを考えるのではなく、考えるために作る:ティム・ブラウン

Designers – think big! [1]

もし私たちがデザインの見方を変え、物自体に焦点を当てるのではなく、デザイン思考という手法に注目すれば、大きなインパクトのある結果を得られる可能性がある
if we take a different view of design, and focus less on the object and more on design thinking as an approach, that we actually might see the result in a bigger impact.

出典 : https://www.ted.com/talks/tim_brown_designers_think_big/

デザイン思考は、古くはハーバート・サイモンの1969年の著書「システムの科学(The Sciences of the Artificial)」に見られたとされ[2]、最近ではデザイン思考を説明したビジネス書が販売され、デザインシンキングに関するコンサルティングサービスが事業として実施されるなど、日本のビジネス界において、徐々に浸透して始めています。

この動画は、デザイン思考を広め、アメリカで設立された世界的なデザインコンサルティングファームであるIDEOの創始者、ティム・ブラウン氏が2009年のTEDに登壇した際の物です。

動画内で、デザイン思考に沿って、ユーザーのニーズに合致した製品を作ろうとする場合、何を作るかを考えるのではなく、考えるために作るとコメントしています。
このプロトタイプを制作してみた後にユーザーのフィードバックを得て、製品をさらにブラッシュアップするという考え方のベースとなっているデザイン思考について学んでみて、実際にトライしてみると、また見える世界が変わるかもしれません。

[1] : https://www.ted.com/talks/tim_brown_designers_think_big

[2] : https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%83%B3%E6%80%9D%E8%80%83

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