本研究は、2019年度のヒューマンコンピューターインタラクション(HCI)研究における最重要国際会議であるCHI会議(the SIGCHI Conference on Human Factors in Computing Systems)で発表された内容です。
研究対象である細いラインアクチュエータは、ファブリック、ペーパーアート、ソフトロボット工学など、さまざまなヒューマンコンピューターインタラクション(HCI)で広く研究されています。
本論文では、新規でありながらシンプルなラインベースのアクチュエータを紹介しています。
著者らが提案しているModiFiberは、シリコンコーティングを施したツイストコイル型のナイロンスレッドアクチュエータです。この複合アクチュエータは、熱または電流によって双方向に可逆収縮またはねじれ動作を示します。柔らかく、柔軟で、安全に操作でき、簡単に織ったり縫い付けられたりするため、HCIの目的のための組み込みラインベースのアクチュエータとして大きな可能性を秘めている、と主張しています。
論文中では、いくつかのアプリケーションを紹介しており、インタラクティブなウェアラブル、玩具、ロボットなど、アクチュエータが適応できる潜在的な適用性を実証しています。
従来の繊維の製造プロセスで使用可能か検証までしたかどうかは不明ですが、肌に触れる部分が柔軟なポリマーであれば、人体に密着するデバイスへの適用も遠くないかもしれません。
URL : https://dl.acm.org/citation.cfm?id=3300890&dl=ACM&coll=DL