水中探査用のロボットは通常、硬い材料で構成されており、かなりの量の電力を消費するプロペラまたはジェットスラスタによって駆動されます。消費電力が大きいと、かなりのバッテリーが必要になり、小型ロボットを設計する能力が制限されます。プロペラとジェットスラスタはかなりの騒音と振動を発生させるため、音響信号などの研究には逆効果です。
UCサンディエゴらの研究チームが、クラゲを想起させるバイオインスパイアードロボットを開発し、その研究成果をFrontiers in Robotics and AIに寄稿しています。
バイオインスパイアードソフトロボットは、様々な環境に適合できるため、自然に対しても適合できる材料で構成され、多くの困難な環境に対応した水中探査のアプローチを提供できます。
以前の研究で、フレームレスDEAが流体電極を使用してフィルムに電圧を印加できること、およびウナギに触発されたロボットの効果的な移動が剛性フレームを必要とせずに達成できることを実証していましたが、推進力を得るために、電源と制御信号を必要としたのが課題だったそうです。
今回の研究では、DEAを搭載したテザーなしのソフトスイミングロボットを開発するために、クラゲからインスピレーションを得て、フレームレスDEAのリングを非拡張層に取り付け、パッシブサイドに向かって湾曲してパワーストロークを生成し、元の構成を効率的に回復するユニモルフ構造を生成した、と報告しています。
この戦略により、制御システムが簡素化され、平均速度3.2 mm / sで自由に泳ぐことができるソフトロボットを開発できた、と報告しています。
このソフトロボットは、水中環境での静かな操作、例えば生態系の調査などに用いるためのロボットとして、低電力用の流体電極でDEAを使用する可能性を示してくれています。
URL : https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/frobt.2019.00126/full