MR向けインターフェースにおけるコンテクストの自動調整アプローチの開発

Context-Aware Online Adaptation of Mixed Reality Interfaces [1]

Mixed Reality(MR)システムの最適化ベースのアプローチを提示して、アプリケーションを表示するタイミングと場所、および表示する情報量を自動的に制御することが求められています。
現状、コンテンツ作成者はアプリケーションを設計し、ユーザーは表示するアプリケーションと表示する情報の量を手動で調整しているそうです。ユーザーがコンテキストを切り替えるたびに、つまりタスクや環境を切り替えるたびに調整する必要があり、コンテキストの切り替えは1日に何度も発生するため、この問題を軽減するにはMRインターフェイスの自動化が必要であると考えていることが研究背景だそうです。

そこで、本論文では、ユーザーの現在の認知負荷とタスクと環境に関する知識に基づいて、このプロセスを自動化するリアルタイムのアプローチを提案しています。ユーザーの現在の環境、タスク、および認知負荷に関する情報を活用することにより、ユーザーの状況に合わせて、動的なMRインターフェイスを自動で適応させることができるそうです。
この問題は、リアルタイムで効率的に解決できるルールベースの意思決定と組み合わせ最適化の組み合わせとして定式化しており、実証実験も実施しています。結果、このアプローチにより二次タスクの相互作用が36%減少したことを示しています。

コンテンツ作成を手動ワークフローから計算的にサポートされるプロセスに移行することによって、MRインターフェースをより使いやすくするための最初のステップを踏み出せる、と本論文では締めくくっています。

尚、本論文は2019年度UIST会議にて報告されたものです。

[1] : David Lindlbauer, Anna Maria Feit, Otmar Hilliges (2019, October). Context-Aware Online Adaptation of Mixed Reality Interfaces. In Proceedings of the 32nd Annual ACM Symposium on User Interface Software and Technology (pp. 147-160). ACM.

URL : https://dl.acm.org/citation.cfm?doid=3332165.3347945