CMUの研究チームが発表した食品を自由に3Dプリントで制作できるデザインプロセス

Freeform Fabrication of Fluidic Edible Materials [1]

栄養の提供から社会交流の促進まで、食は私たちの日常生活や文化において重要な役割を果たしています。ヒューマンコンピューターインタラクション領域では、インタラクションのための媒体としての食品の使用と、個人的な製作のコンテキストに関心があるものの、利用可能な食品印刷方法の設計スペースは、最小限の形状とペーストのような材料に限定されています。

カーネギーメロン大学の研究チームが、サポートバスで印刷を補助することにより、食品を自由に設計できるようなデザインプロセスを構築、いくつかの作品を製作、その成果を2021年度のCHI会議に寄稿しています。
サポートバスとは、カルボキシビニルポリマーやゼラチンなどで構成され、この素材を土台にすることで、印刷プロセス中に形状を維持するため、自由な形の食品を作成できるとしています。

印刷物の特性に応じて、適切なサポートバスの種類と処理方法を選択するためのガイドラインをユーザーに提供し、菓子アート、4D印刷食品、食用ディスプレイなどのデザインツールスイートとアプリケーション例も提供され、有効なインタラクションデザインスペースを示したとしています。このアプローチは、料理の個人的な製作を可能にするだけでなく、将来のHCI作業が、変形可能で計装化された食用インターフェースの相互作用の可能性を探求し、解き放つことも可能にすると信じている、と締めくくっています。

[1] : Yang, H., Luo, D., Qian, K., & Yao, L. (2021, May). Freeform Fabrication of Fluidic Edible Materials. In Proceedings of the 2021 CHI Conference on Human Factors in Computing Systems (pp. 1-10).

URL : https://dl.acm.org/doi/10.1145/3411764.3445097

容量タッチセンサ画像から指とセンサの接触領域を高解像度で取得する方法:Cap Contact

CapContact: Super-resolution Contact Areas from Capacitive Touchscreens [1]

タッチ入力は、容量センシングを使用して主に検出されますが、距離の増加に伴う強度の指数関数的な低下により、ソフトウェアはタッチ有無の検出は可能ですが、実際の接触領域はわからないのが現状です。

ETH Zurichの研究チームが、ユーザーの指と表面との接触領域を単一の静電容量画像からニューラルネットワークを用いて正確に推測する新しい方法であるCapContactを開発、その成果をCHI2021に寄稿し、Best paper Awardに選定されています。

畳み込みニューラル ネットワークを利用し、入力として 16 ビットの容量性画像からタッチ領域画像を生成し、これにより、既存の方法では区別できないようなタッチを区別することもできるそうです。

論文では、10 人の参加者からのデータで教師データを生成し、教師あり学習を使用して、この方法をトレーニングして評価したそうです。実際の結果では、CapContact は、ベースラインの 570 件中 43 件 (8%) と比較して、570 件中 494 件 (87%) で近接したタッチコンタクトをうまく分離したと報告しています。

[1] : Streli, P., & Holz, C. (2021, May). CapContact: Reconstructing High-Resolution Contact Areas on Capacitive Sensors. In Proceedings of the 2021 CHI Conference on Human Factors in Computing Systems (pp. 1-14).

URL : https://siplab.org/projects/CapContact

山形大が開発したPEDOT:PSSベースの印刷プロセスで製造可能なフレキシブル温度センサー

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印刷プロセスで製造可能なフレキシブル温度センサーの概略プロセス [1]

リアルタイムのウェアラブルヘルスケアにおける温度センサーの実用化には、簡単な製造と高い周囲安定性が強く求められています。 山形大学らの研究チームが、架橋ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン):ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT:PSS)に基づく完全に印刷された柔軟な温度センサーを開発し、2020年のScientific Reportに研究成果を寄稿しています。

(3-グリシジルオキシプロピル)トリメトキシシラン(GOPS)の架橋剤とフッ素化ポリマーパッシベーション(CYTOP)を導入することにより、PEDOT:PSSベースのフィルムの湿度安定性と温度感度が大幅に向上しました。 作製したセンサーは、30%RH〜80%RHの環境湿度で優れた安定性を示し、25°C〜50°Cの温度検知で-0.77%°C-1の高感度を示しました。

さらに、ワイヤレス温度検知プラットフォームは、印刷されたセンサーを印刷された柔軟なハイブリッド回路に統合することによって得られ、安定したリアルタイムのヘルスケアモニタリングを実行可能としています。

[1] : Wang, Y. F., Sekine, T., Takeda, Y., Yokosawa, K., Matsui, H., Kumaki, D., … & Tokito, S. (2020). Fully printed PEDOT: PSS-based temperature sensor with high humidity stability for wireless healthcare monitoring. Scientific reports10(1), 1-8.

URL : https://www.nature.com/articles/s41598-020-59432-2

Facebook Researchが発表した新しい指輪型の入力インターフェース

ElectroRing: Subtle Pinch and Touch Detection with a Ring [1]

Facebook Researchの研究チームが、微妙な指のつまみの開始と解放の両方、より一般的には指先とユーザーの皮膚との接触を確実に検出するウェアラブルリングベースの入力デバイスであるElectroRingを紹介し、その研究成果を2021年度のCHI会議に寄稿しています。

ElectroRingは、動きや力がほとんどない微妙なタッチジェスチャがウェアラブルカメラやIMUで検出されないという、ユビキタスタッチインターフェイスの一般的な問題に対処するとしています。
ElectroRingのアクティブな電気センシングアプローチは、タッチイベントとリリースイベントの両方で、生の信号に階段関数のような変化をもたらし、基本的な信号処理技術のみを使用して簡単に検出できるとしています。

特に、ElectroRingは、リング自体のみで構成されており、既存の電気的な容量変化や抵抗変化などの接触検出方法とは一線を画していると主張しています。シンプルなIMUベースの2D追跡システムと組み合わせた場合のアプローチの有効性を示すため、3つのデモアプリケーションを構築し、その独自性をアピールしています。

[1] : Kienzle, W., Whitmire, E., Rittaler, C., & Benko, H. (2021, May). ElectroRing: Subtle Pinch and Touch Detection with a Ring. In Proceedings of the 2021 CHI Conference on Human Factors in Computing Systems (pp. 1-12).

URL : https://dl.acm.org/doi/10.1145/3411764.3445094

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