拡張現実における物理メディアの具体的なインタラクションデザインに関する研究

Replicate and Reuse: Tangible Interaction Design for Digitally-Augmented Physical Media Objects [1]

カナダのウォータールー大学の研究チームが、ARのための物理オブジェクトのインタラクションデザインと、さまざまなレベルの実体性を調査、ユーザー評価を行った結果を、2020年度のCHI会議に寄稿しています。

研究背景として、特に拡張現実であるARを挙げており、現在私達の身の回りにあるテクノロジーは、私たちの物理的な相互作用を無限にスケーラブルで柔軟なデジタル相互作用に変換したことを挙げています。無数の写真、ニュース記事、書籍を閲覧でき、デジタルネイティブの世代も生まれています。
ただし、これらのデジタルエクスペリエンスには、アルバムのページめくり、新聞の読書、本棚の蛇行などの物理的なエクスペリエンスはありません。拡張現実を使用して、物理オブジェクトとデジタルコンテンツをオーバーレイすることは、このギャップを埋めるための有望な手段です。

論文内では、物理的およびデジタル操作をサポートするために具体的な相互作用を使用する物理的フォトアルバムのユーザー評価を行っています。本棚や新聞を含む複数のオブジェクトのプロトタイプを作成し、その使用法、機能、および相互作用についてユーザーを調査および、3つの異なる入力モダリティを使用する、さまざまな有形性を持つ3つの相互作用デザインの定性調査を行っています。

最後に、調査から得られた洞察について説明し、設計ガイドラインを推奨しています。ARが普及する世界を見据えて、物理的なタッチポイントの設計ガイドラインは有効になると思われます。

[1] : Gupta, A., Lin, B. R., Ji, S., Patel, A., & Vogel, D. (2020, April). Replicate and Reuse: Tangible Interaction Design for Digitally-Augmented Physical Media Objects. In Proceedings of the 2020 CHI Conference on Human Factors in Computing Systems (pp. 1-12).

URL : https://dl.acm.org/doi/abs/10.1145/3313831.3376139