ラピッドプロトタイピングを可能にする設計サポートツール

Tactlets: Adding Tactile Feedback to 3D Objects Using Custom Printed Controls [1]

3Dプリンティングの技術革新に伴って、インタラクティブなオブジェクト作成をユーザー側が手軽に行えるようになってきています。
本論文では、インタラクティブなオブジェクトに対する入力と出力のため、つまり素早いプロトタイピングに対する新しいデジタル設計と製造アプローチであるTactlets(タクトレット)を紹介しています。
このツールを使用すると、さまざまな3Dオブジェクトに対して、電気触覚出力とタッチセンシングのラピッドプロトタイピングが可能になります。また、リアルタイム設計モードは、物理プロトタイプを使用した実地テストと設計の改良をサポートしてくれるツールであり、個人的にはこの機能は非常に有効なものだと思います。
実際、ユーザーを対象とした実証研究の結果は、さまざまなオブジェクトジオメトリでのセンシングと触覚出力の技術的機能を確認しています。同時に、論文の最後に、この手法を使ったアプリケーション事例、15の商品のプロトタイプを通じた学びと、この手法の課題を記載していますので、ご興味のある方はぜひご確認いただければと思います。

今後は、追加のセンシング機能を統合する方法などを検討すると記載しており、ますます様々なセンサをすぐ形にして、すぐ確認できるラピッドプロトタイピングが可能になる世界が来れば、実際に商品を出荷する前に何度でもユーザーテストが可能になりそうです。

尚、本論文は2019年度のACM Symposium on User Interface Software and Technology(通称UIST)に寄稿されたものです。

[1] : Groeger, D., Feick, M., Withana, A., & Steimle, J. (2019, October). Tactlets: Adding Tactile Feedback to 3D Objects Using Custom Printed Controls. In Proceedings of the 32nd Annual ACM Symposium on User Interface Software and Technology (pp. 923-936). ACM.

URL : https://hci.cs.uni-saarland.de/research/tactlets/