人間の動作認識のためのウェアラブルひずみセンサーの開発

Figure 1. デュアルモード歪みセンサーの構造図、rGO/PDMSそれぞれのSEM画像 [1]
(論文[1]のFigure 2より引用)

近年、予防医療などの分野の開発が盛んになっており、特に健康をモニターする機会が増えています。健康管理のシステムでは、人間の微妙な動きと大きな動きの両方を検出するため、高感度で幅広い検出範囲を備えたウェアラブルひずみセンサーが非常に望ましい、と言われています。

中国の東南大学の研究チームが、マイクロパターニングエラストマーのコロイド結晶膜に付着した還元グラフェン酸化物(rGO)/ ポリジメチルシロキサン(PDMS)膜に基づく新しいデュアルモードひずみセンサーを提案し、その研究成果をAdvanced Materials Technologiesに寄稿しています。

rGO / PDMSフィルムは、抵抗変化によって微妙な人間の動きを検出するように設計されていますが、コロイド結晶フィルムは、単純な比色変化または反射ピークシフトによって大きな人間の動きを検出するために使用され、同時に、グラフェンフィルムの微細構造基板として、感度を改善するそうです。
検出能力を調べると、コロイド結晶フィルムは68.2%の歪みまでの広い検出範囲を示し、rGO / PDMSフィルムは30%の歪み内で4.78の高い歪みゲージ値を示し、迅速な応答時間と優れた可逆性を示すそうです。

このような優れた性能は、さまざまな大きな人間の関節の動きと微妙な人間の生理学的動きを検出するためのデュアルモードセンサーを提供すると主張しており、人間の動きを検出するための高性能な歪みセンサーの設計と製造に関する新しい洞察を提供することで、人間の動きの認識とヘルスケアの監視に応用できる可能性がある、と締めくくっています。

[1] : Xu, H., Zhang, M. K., Lu, Y. F., Li, J. J., Ge, S. J., & Gu, Z. Z. Dual‐Mode Wearable Strain Sensor Based on Graphene/Colloidal Crystal Films for Simultaneously Detection of Subtle and Large Human Motions. Advanced Materials Technologies, 1901056.

URL : https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/admt.201901056