ユーザーエクスペリエンスを開発早期に評価する手法

Triptech : A Method for Evaluating Early Design Concepts

ユーザーエクスペリエンス(UX)の測定は設計プロセスの重要な部分ですが、製品開発の初期段階でUXを評価する方法はほとんどありません。
本論文では、Triptechという手法を紹介しています。Triptechは、斬新な製品のアイデアをすばやく探求する方法であり、ユーザーニーズの頻度と重要性の評価、デザインコンセプトの望ましさや有用性の評価を行える手法だそうです。論文中で、Pixel 2のデバイス上の音楽認識システムであるNow PlayingのUX要件の草案にどのように使用されたかを示してくれています。

Triptechは、調査、ストーリーボード、SD、フォーカスグループなどの既存の研究方法論を利用して、製品イノベーションプロセスの概念段階でフィードバックを収集するために使用されるUX評価方法であり、さまざまな設定や対象者のニーズに適応でき、製品開発の初期段階でチームがUX評価を実施するのに役立ったと報告しています。
また、現在までに、12のGoogleプロジェクトで100を超えるニーズを評価するために使用されており、その調査は35,000人以上の回答者に届き、Triptechのフォーカスグループは米国、英国、およびインドで実施されたとのこと。
デザイン思考やアプリケーションのUXを検討する際に、有効な手法かもしれないので、興味がある方は論文に目を通すと良いかもしれません。

最後になりましたが、本論文は2019年のCHI Conference(the SIGCHI Conference on Human Factors in Computing Systems)で報告されています。

[1] : Seguin, J. A., Scharff, A., & Pedersen, K. (2019, April). Triptech: A Method for Evaluating Early Design Concepts. In Extended Abstracts of the 2019 CHI Conference on Human Factors in Computing Systems (p. CS24). ACM.

URL : https://dl.acm.org/authorize.cfm?key=N670321