Eスキンに関するREVIEW論文

本記事では、2013年度にAdvanced Materialsに寄稿された、ヒューマンインターフェースデバイスのREVIEW論文の内容を紹介したものです。

Figure 1. 電子スキン (Eスキン) の技術発展の年表 [1]

過去10年間で、新しい素材やプロセスが利用できるようになったため、eスキンの開発のペースは劇的に加速しています。
論文中に掲載されていますが、図1のように、2000年までのインターフェースの研究とSF作品が混ざって現在のeスキンの開発系譜になったそうです。

このeスキンの汎用性は非常に高く、順応性のあるディスプレイデバイスになり得る可能性も秘めてますし、医療分野では特に生体模倣した人工装具、健康モニタリング技術、診断および治療能力を提供することにより、革命をもたらす可能性すら秘めています。
特に、センサー機能と回路機能だけとれば、多くの点ですでに生体皮膚の特性を超えており、皮膚よりも何倍も伸びる電子デバイスが製造されていたり、優れた空間分解能を有する触覚センサーなど、特性面では非常に優れています。

ただ、肌に直接貼れる薄型のデバイス、つまり高機能で低コストのデバイスを作成するには、優れた電気的性能と大面積処理技術との互換性が重要であり、この部分はまだ技術開発の余地があります。
有機材料含め、今後はさらに微細化を辿っていくため、eスキンに関する参考文献を示してくれている本論文は非常に有用なものになると思います。
eスキン開発者や、インターフェース研究者などは知っておいて損はないかと思います。

[1] : Hammock, M. L., Chortos, A., Tee, B. C. K., Tok, J. B. H., & Bao, Z. (2013). 25th anniversary article: the evolution of electronic skin (e‐skin): a brief history, design considerations, and recent progress. Advanced materials25(42), 5997-6038.

URL : https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.201302240