収差は固定焦点レンズの長年の問題であり、通常、収差を補正するには複雑なレンズセットが必要です。調整可能なレンズの場合はさらに難しくなります。
香港理工大学らの研究チームは、焦点距離の調整中に球面収差を補正できる面内オプトフルイディクスレンズのオリジナルデザインを報告し、Lab on a chipにその研究成果を報告しています。
鍵となるアイデアは、誘電泳動効果により電極ストリップの2つのアレイを使用して、2つの空気/液体界面を対称的に制御することだそうです。
各ストリップは連携してレンズインターフェースの全体的な形状と焦点距離を定義しますが、各ストリップはインターフェースの局所的な曲率を調整して、近軸および周辺アレイを同じポイントにフォーカスします。
シリコーン油滴を使用した実験では、焦点距離が500〜1400μmを超えて調整され、球面レンズのLSA(85μm)のわずか1/24である約3.5μmの縦球面収差(LSA)が得られたと報告しています。
また、印加電圧を微調整することにより、LSAを排除し、収差のない調整可能なレンズを実現できると報告しており、1つの面内液体レンズ内の収差を補正するために局所曲率調整が使用されるのは初めてだと主張しています。
URL : https://pubs.rsc.org/-/content/articlelanding/2020/lc/c9lc01217f#!divAbstract