Microsoft Researchとダートマス大学の研究チームが、ユーザーがパンツのポケットに入れて持ち歩く日常の物体(キー、コイン、電子機器、プラスチック製品など)を認識するポケットベースのテキスタイルセンサー:Project Tascaを発表、2021年度のCHI会議に寄稿しています。
ポケット内のタッチと圧力を検出し、ポケット内の金属、非金属、タグ付きのオブジェクトを認識することができる新しいファブリックベースのセンサーを作成することで、いつでも利用できる入力を可能にし、ウェアラブルシナリオでのコンテキスト駆動型の相互作用を実現したとしています。
論文内では、4つの異なるタイプのセンシング方法、つまり、誘導センシング、静電容量センシング、抵抗センシング、およびNFCを多層ファブリック構造でジーンズポケットのフォームファクターに統合することによってプロトタイプを開発しています。
10人の参加者による調査を通じて、手、8つの力のジェスチャー、30のNFCタグの配置など、11の一般的なオブジェクトにわたるプロトタイプのパフォーマンスを評価し、その結果、オブジェクト認識の92.3%の個人相互検証精度、ジェスチャ認識の96.4%の精度、および近距離でのNFCタグの検出の100%の精度が得られたとしています。最後に、いくつかのアプリケーションでポケットベースのセンサーによって可能になる新しいインタラクションを提示しています。
[1] : Wu, T. Y., Xu, Z., Yang, X. D., Hodges, S., & Seyed, T. (2021, May). Project Tasca: Enabling Touch and Contextual Interactions with a Pocket-based Textile Sensor. In Proceedings of the 2021 CHI Conference on Human Factors in Computing Systems (pp. 1-13).URL : https://dl.acm.org/doi/10.1145/3411764.3445712