体温を利用して体型にフィットする繊維が開発されました

University of Minnesota invention: shape-changing textiles powered only by body heat

この記事は、ミネソタ大学のチームによって開発された、温度によって形状が変化する性質を利用した体の表面にフィットする繊維に関する論文を元にした内容です。

研究背景として、スマートウェアラブルの分野において、人間の体型に動的にフィットすることが求められており、体型にフィットすることによってソフトウェアラブルロボティクス、ヘルスモニタリング、および触覚フィードバックシステムを含むアプリケーションにとっては非常に重要な分野である、と位置付けています。
これらのアプリケーションは、機能の知覚のために、身体自体に衣服が近接することと、衣服そのものの剛性を同時に両立することが求められています。
本論文では、着用者の体の形状とサイズに動的に適合するNi-Tiベースの形状記憶合金(SMA)ニットアクチュエータで構成された衣類の設計、製造、および検証内容を報告しています。

論文では、新しい衣服の製造と応用戦略を可能にするため、衣服の設計を通じて体型へのフィッティングを行い、調整可能なNiTiベースのSMA作動温度を提供することで、人間の皮膚の表面での作動を可能にすると主張しています。
ただ動画内や論文から考察すると、実用化まではまだ技術改善の余地があるようには思えますが、研究目的の1つである、材料及び構造自体の動的な変形による人体へのフィッティングは、実生活上のアプリケーションを考えると必須ですので、今後の研究に期待できそうです。

[1] : Granberry, R., Eschen, K., Holschuh, B., & Abel, J. (2019). Functionally Graded Knitted Actuators with NiTi‐Based Shape Memory Alloys for Topographically Self‐Fitting Wearables. Advanced Materials Technologies.

URL : https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/admt.201900548