紙を使用した折り紙TENG(ナノ発電機)に関する研究

Figure 1. (a) TENGの構造, (b) エッチングされたPTFEの表面SEM図, (c) 単位セル図, (d) マルチセル図
(文献[1]のFigure1より引用)

再生可能かつ持続可能な電源の発見は、グリーンエレクトロニクスとセンサーネットワークの開発に不可欠です。ユーザーの視点で言えば、自分たちの日常生活の行動を変えることなく、新しいエネルギーが生まれる可能性があるからです。

本論文では、高度な柔軟性、軽量、低コスト、リサイクル性を備えた、出発材料として紙を使用した折り紙摩擦電気ナノ発電機(TENG)を紹介しています。

TENGとはtriboelectric nanogeneratorの略で、現在エネルギーハーベストの分野で数多く研究がなされている分野です。
本論文の提案する手法では、プリンター用紙を適切に折り畳むことにより、スリンキーおよび落書きバグ型のTENGを簡単に作成できるそうです。
製造時のTENGは、ストレッチ、リフティング、ツイストなど、さまざまな種類の人間の動きから周囲の機械的エネルギーを収集でき、生成された電気出力は、商用LEDを直接点灯するために使用しており、製造時のTENGは、自己給電式の圧力センサーとしても機能すると主張しています。

ただ電流量の出力を見るとまだ実用化には少し時間がかかりそうですが、こういった身近な物理エネルギーを電気エネルギーに変えた研究が進むことが期待されます。

[1] : Yang, P. K., Lin, Z. H., Pradel, K. C., Lin, L., Li, X., Wen, X., … & Wang, Z. L. (2015). based origami triboelectric nanogenerators and self-powered pressure sensors. ACS nano9(1), 901-907.

URL : https://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/nn506631t