360度カメラを用いたキャプチャ時のポートレート照明の最適化

Optimizing Portrait Lighting at Capture-Time Using a 360 Camera as a Light Probe [1]

照明はポートレート写真の重要な要素です。 光が入ってくる部屋や外の環境に対して、被写体をどのように向けるかを選択するには、従来、光の方向に注意を払い、その光がどのように顔に当たって、どういう写真ができるかを理解する必要がありました。

そこで、本論文では、一般人を含めたカジュアル写真家が、自分たちが撮りたい被写体の顔の外観を撮影するために、被写体を方向付けるのに役立つように設計されたツールを紹介してくれています。
ツールへの入力は、360カメラを使用してキャプチャされたシーンのHDR環境マップと、一般的なスタジオ照明スタイルのギャラリーから選択されたターゲットの顔の外観だそうです。
本論文でツールは、計算効率の高い事前計算された放射輝度伝達ベースのアプローチを使用して、対象の照明を達成するために被験者の最適な方向を計算するそうです。
次に、写真家に被写体の周りをどれだけ回転させるかを伝えます。必要に応じて、ツールは、対象の照明との一致をさらに改善するために、被験者の顔の周囲に補助的な外部光源(電話画面など)を向ける方法を提案するそうです。

さまざまな被写体を使用して、屋内および屋外シーンでのアプローチの有効性を実証しており、実施したユーザーの評価によると、このツールは、写真家が明るいポートレートを作成するために必要なな努力を軽減することを示唆しているそうです。
このようなツールは、写真家が環境で可能性のあるさまざまな外観を簡単に検討できるようにするものと考えている、と著者らは主張しています。

[1] : Fried, O., & Agrawala, M. (2019, October). Optimizing Portrait Lighting at Capture-Time Using a 360 Camera as a Light Probe. In Proceedings of the 32nd Annual ACM Symposium on User Interface Software and Technology (pp. 221-232). ACM.

URL : https://graphics.stanford.edu/projects/portraitlighting/e_portrait_uist19.pdf