マルチマテリアル3Dプリンターを用いた任意のオブジェクト制作プロセスについて

Figure 1. マルチマテリアル3Dプリンタを使用し、散乱面反射分布関数を用いて最適化した制作オブジェクト例 [1]

近い将来、自分が作りたい複数の材料を使って、任意に自分が作りたい模様でプロトタイプもしくはアイテムを作れる日がくるかもしれません。
近年、マルチマテリアル3Dプリンターが利用可能になっており、複数の構成材料を含む3Dオブジェクトの作成を容易にしてくれていることから、半透明なオブジェクトを印刷するためのレイヤー素材も合成可能であることを示唆しています。

本論文では、利用可能なマテリアルを特徴付け、これらのマテリアルの特定のレイヤーの外観をシミュレートし、ユーザーがターゲットの外観を指定できるようにそれらを多重化する方法を自動的に決定するための新しいエンドツーエンドのプロセスを報告しています。ユーザーにとっては非常にメリットが大きい、と主張しています。

論文には作成プロセスにおける詳細も記載しているため、興味がある方はぜひ読んでみていただきたいと思います。これらの制作したデバイスは現在、ラピッドプロトタイピングに使用されていますが、我々の家にあるような消費財が、今後ますますパーソナライズされていくことは世の中の流れとして必然です。その時、こういった技術が身の回りに溢れている可能性を感じさせてくれます。

[1] : Hašan, M., Fuchs, M., Matusik, W., Pfister, H., & Rusinkiewicz, S. (2010, July). Physical reproduction of materials with specified subsurface scattering. In ACM Transactions on Graphics (TOG) (Vol. 29, No. 4, p. 61). ACM.

URL : https://dl.acm.org/citation.cfm?id=1778798