液体金属ナノ粒子を用いた伸縮可能なエナジーハーベスター

Aurorでも度々取り上げているエナジーハーベスターは素子はウェアラブルやIoTなどの分野などのエネルギー供給問題を解決する手法として非常に期待されています。

今回の記事では伸縮可能なエナジーハーベスターとそれを用いたインタラクティブなシステムをご紹介します。

Chinese Academy of Sciences らのチームによって提案された手法は液体金属ナノ粒子(LM-NPs)を用いることでモーションエナジーハーベスターに伸縮性を持たせています。

下の図の様にエタノール中で液体金属(gallium, indium, tin)を超音波攪拌することで液体金属のナノ粒子上に分解し、それらをシリコーンエラストマーとさらに混合し、硬化させることで安定化させています。

図1 LM-NPsの製造プロセス([1]のFigure 1.より引用)

この様に作成されたLM-NPsインクをアクリルエラストマー上にパターニング塗布し、表面にさらにPDMS層を設けてCopper Tapeと対向させて配置することでTENG(triboelectric nanogenerators )型のエナジーハーベスターが形成されます。

TENGについてはこちらも合わせてご参照ください。

本研究ではLM-NPsのTENGをアレイ上に配置し、各セルに加わった圧力による起電力を読み取りインタフェース上に表示するといったデモも行なっています。

図2 LM-NPsを用いた3*3 Trigger キーボードの様子([1] Figure 5.より引用)

印刷プロセスなどと組み合わさっていくことで、安価に実装できる様になっていくと用途が広がるかもしれないですね。

参考URL

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adfm.201909652

参考文献

[1]Yang, Y., Han, J., Huang, J., Sun, J., Wang, Z. L., & Seo, S. (2020). Stretchable Energy-Harvesting Tactile Interactive Interface with Liquid-Metal-Nanoparticle-Based Electrodes, 1909652, 1–10. https://doi.org/10.1002/adfm.201909652