Magnet IO : ボイスコイルを用いた新しい触覚アクチュエータ

MagnetIO: Passive yet Interactive Soft Haptic Patches Anywhere [1]

シカゴ大の研究チームが、MagnetIOと呼ばれる新しいタイプの触覚アクチュエータを提案し、その成果を2021年度のCHI会議に寄稿しています。この触覚アクチュエーターは2つの部分で構成されており、1つはユーザーの指の爪に装着される電池式のボイスコイルで、もう1つは任意の表面(日常のオブジェクト)に取り付けることができるインタラクティブなソフトパッチです。

ボイスコイルを装着したユーザーの指がインタラクティブパッチのいずれかに接触すると、磁力計を介してその磁気シグネチャを検出し、パッチを振動させ、入力のみのインタラクションに触覚フィードバックを返すそうです。
これらのパッシブパッチを振動させるために、分極したネオジム粉末をドープした領域を備えたシリコーンでパッチを作成し、柔らかく伸縮性のある磁石を実現しています。この伸縮性のあるフォームファクターにより、ユーザーの体やさまざまな形の日常のオブジェクトに巻き付けることができるとしています。

家の壁に触覚ボタンを追加するなど、これらが多くの状況に触覚出力を追加する方法を示し、技術評価では、インタラクティブパッチが広範囲の周波数(0〜500 Hz)で励起され、パッチの形状に基づいて特定の周波数で共振するように調整できることを示しています。さらに、MagnetIOの振動強度が一般的な線形共振アクチュエータ(LRA)と同じくらい強力であることを示しており、複数の振動モードを備えたスプリングとして動作するため、同等のLRAよりも共振周波数周辺の帯域が広くなるとしています。

[1] : Mazursky, A., Teng, S. Y., Nith, R., & Lopes, P. (2021, May). MagnetIO: Passive yet Interactive Soft Haptic Patches Anywhere. In Proceedings of the 2021 CHI Conference on Human Factors in Computing Systems (pp. 1-15).

URL : https://dl.acm.org/doi/10.1145/3411764.3445543