優れた伸縮性を備えたマイクロスーパーキャパシター(MSC)の構築は、ウェアラブルエレクトロニクスにとって非常に重要な要素です。肌に貼るデバイスも多く開発されているため、伸縮性は必須な要素ですし、同様に生体との親和性も重要な因子になっています。
華南理工大学の研究チームが、レーザー誘起グラフェン/ NiO / Co3O4(NiO / Co3O4 / LIG)をポリイミドフィルム上で合成し、生分解性水系ポリウレタン基板に転写することで伸縮性MSCを製造することに成功し、その研究成果をAdvanced Materials Technologiesに寄稿しています。
実験で製造した伸縮性キャパシタは、2.4 mF cm-2の優れた面静電容量、50%の歪みで77.1%の高い静電容量保持率、1000回の伸縮サイクル後の19.8%未満の静電容量劣化を示した、と論文中で報告しています。
これらの望ましい特性が達成できている理由として、主に、NiO / Co3O4 / LIGの勾配構造、ハイブリッドNiO / Co3O4ナノ粒子の相乗効果、および電極とWPU間の強力な界面接着に起因するそうです。
伸縮性MSCを使用してマイクロセンサーに電力を供給し、TENGと呼ばれる摩擦電気ナノ発電機でそれらを組み立て、皮膚との機械的接触から電力を生成することによって、その効果を論文中で証明しています。
これにより、伸縮性MSCはウェアラブルエレクトロニクスの持続可能な駆動源として有望だと締めくくっています。
URL : https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/admt.201900903