リアルタイムのウェアラブルヘルスケアにおける温度センサーの実用化には、簡単な製造と高い周囲安定性が強く求められています。 山形大学らの研究チームが、架橋ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン):ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT:PSS)に基づく完全に印刷された柔軟な温度センサーを開発し、2020年のScientific Reportに研究成果を寄稿しています。
(3-グリシジルオキシプロピル)トリメトキシシラン(GOPS)の架橋剤とフッ素化ポリマーパッシベーション(CYTOP)を導入することにより、PEDOT:PSSベースのフィルムの湿度安定性と温度感度が大幅に向上しました。 作製したセンサーは、30%RH〜80%RHの環境湿度で優れた安定性を示し、25°C〜50°Cの温度検知で-0.77%°C-1の高感度を示しました。
さらに、ワイヤレス温度検知プラットフォームは、印刷されたセンサーを印刷された柔軟なハイブリッド回路に統合することによって得られ、安定したリアルタイムのヘルスケアモニタリングを実行可能としています。
[1] : Wang, Y. F., Sekine, T., Takeda, Y., Yokosawa, K., Matsui, H., Kumaki, D., … & Tokito, S. (2020). Fully printed PEDOT: PSS-based temperature sensor with high humidity stability for wireless healthcare monitoring. Scientific reports, 10(1), 1-8.URL : https://www.nature.com/articles/s41598-020-59432-2