ガリウムをベースとした共晶金属と水酸化ナトリウム水溶液を元に作られた液体金属ラウドスピーカー(LML : Liquid Metal Loudspeaker)がKU-KIST のチームらから発表されました。ガリウムをベースとした共晶金属と水酸化ナトリウム水溶液を元に作られた液体金属ラウドスピーカー(LML : Liquid Metal Loudspeaker)がKU-KIST のチームらから発表されました。 電気化学反応による表面張力変化によって液滴を振動させて音を生み出しているようです。
このスピーカーは交流信号(AC Signal)を入力することで動作します。 音圧は1cm離れば場所で約40-50 dBです。 また曲げた状態においても機能することができます。
デモンストレーションでは、ピアノの音や人の声などを再生しています。本研究ではこの動作原理を確認するために音、電気的特性、動きなどを観察しています。
著者らはこのスピーカーは電気化学反応により引き起こされる表面張力の変化により、音の発生が引き起こされていると主張しています。
論文中では電気信号の有無によって液体金属部位(Ga2O3)がどのように変形しているか、またその周波数特性といったデータを紹介しております。
また周囲の電解質のモル濃度によって入力電圧に対して音圧がどのように変化するかといったデータなどがまとめられています。
このスピーカーはPDMS(ポリジメチルシロキサン)などの柔らかい構造体で封止した状態でも動作することができ、Wearable Speakerといった新たな用途の可能性が語られています。
音圧レベルはまだ小さいですが、柔らかく小型に実装できることから、従来とは異なる場所での音や振動デバイスとして将来発展していくかもしれません。
[1]Sang Woo Jin, Yu Ra jeong, Heun Park, Kayeon Keum, Geumbee Lee, Yong Hui Lee, Hanchan Lee, Min Su Kim and Jeong Sook Ha, Small 2019, 1905263URL:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/smll.201905263