デジタルデータをそのまま現実世界に出力するAdditive Manufacturingの技術はハードウェアだけではなく、その出力する材料にも様々な工夫が行われるようになってきています。
今月(2020年2月)に開催された国際会議 Fourteenth InternationalConference on Tangible,Embedded, and EmbodiedInteraction(TEI2020)で造形後に加熱することでサイズが変わるというユニークな材料とそれを用いたインタラクション技術ExpandFabが発表されました。[1]
本提案手法では、ポリマー材料と発泡体を混合した材料を吐出することで、造形後に加熱することで大きさを変化させることができます。発泡体の混合比率を変化させることで部位によって異なる膨らませ方が可能となっています。。
また本研究では、図2のようにどのように膨らむかをシミュレーションするツールも開発をしており、膨らませたい場所のみに発泡体加え流といった設計も提案しております。デモ ではオブジェクトを埋め込むといった試みも提案されています。
精度面では従来のプリンタ程ではありませんが、このような技術を用いることで運搬が容易になったり、大きな出力物を短時間で出力するといったことが可能になりそうです。
参考文献
[1]Kaimoto, H., Yamaoka, J., Nakamaru, S., Kawahara, Y., & Kakehi, Y. (2020, February). ExpandFab: Fabricating Objects Expanding and Changing Shape with Heat. In Proceedings of the Fourteenth International Conference on Tangible, Embedded, and Embodied Interaction (pp. 153-164).