ロイヤルメルボルン大学らの研究チームが、新聞のように印刷できる2次元ITO印刷プロセスを開発

「Flexible two-dimensional indium tin oxide fabricated using a liquid metal printing technique」の画像検索結果
2次元ITO印刷プロセスの概略図と、透明性と導電性を強調するLEDデモ回路 [1]
(論文[1]のFigure 1より引用)

酸化インジウムスズ(ITO)は、タッチスクリーン、スマートウィンドウ、ディスプレイなどのアプリケーションで使用される透明な導体です。ITOの重要な制限は、その脆弱な性質であり、柔軟な電子機器での使用を禁止しています。高品質のITOの商業的デポジットも、現在、高価な真空製造アプローチに依存していることが課題でした。

オーストラリアのロイヤルメルボルン工科大学(RMIT)、ニューサウスウェルズ大学(UNSW)、モナッシュ大学らの共同研究チームは、低温液体金属印刷技術を使用した柔軟な2次元ITOのセンチメートルスケールの合成に成功し、その研究成果をNature Electronicsに報告しています。

このアプローチは、単層または二層ITOを所望の基板に直接堆積させることができ、得られる二層サンプルは99.3%を超える透明度と5.4kΩ-1の低いシート抵抗を提供した、と報告しています。
また、二重層ITOが顕著なファンデルワールス間隔の層状構造を特徴とすることも示しています。 この手法の機能を説明するために、センチメートルサイズの単層ITOシートを使用した静電容量式タッチスクリーンを開発しています。

研究者は、将来のタッチスクリーン用に、新聞のように印刷および展開できる極薄で超柔軟な電子材料を開発したと主張しており、将来性が楽しみな研究になっています。

[1] : Datta, R. S., Syed, N., Zavabeti, A., Jannat, A., Mohiuddin, M., Rokunuzzaman, M., … & Ghasemian, M. B. (2020). Flexible two-dimensional indium tin oxide fabricated using a liquid metal printing technique. Nature Electronics3(1), 51-58.

URL : https://www.nature.com/articles/s41928-019-0353-8