この記事では、Disney Researchが2017年に発表した、自由な機械特性を設計できる複合シリコーンゴムを設計および製造する方法の論文について紹介します。
本論文で扱っているアプローチの基本原理は、液体ドーパント材料をシリコーンマトリックス材料に注入する、という極めてシンプルな方法で、内包物の数、サイズ、位置、およびそれらの材料を変えることにより、物理的な制御、つまり伸び縮みなどの機械的特性を自由に設計できる、と著者らは主張しています。
本論文で扱われている手法の技術的なアプローチは、拡張有限要素法であるXFEM(eXtended Finite Element Method)と感度解析に基づくシミュレーションモデルを組み合わせて、マクロレベルで望ましい剛性特性をもたらす分布を計算する最適化アルゴリズムによって形成されているそうです。
3Dプリンタの一般普及からも伺えるように、デジタルファブリケーション技術の進歩により、メタマテリアルに関する豊富な特性を備えた、かつ複雑な構造を持つような複合材料に関する研究の新しい波が生まれています。
手頃な価格の3Dプリンタのパワーが向上することにより、メタマテリアルを製造する能力が消費者レベルに到達しています。新しいファブリケーションの方法が研究開発によって盛んに出てくることは、DIY好きな消費者にとっては朗報と言えると思います。
URL : https://dl.acm.org/citation.cfm?id=3130881