デジタルデザインを可能にする幅広い光およびインクベースの印刷技術を網羅した3Dプリンティングに関する論文です。本論文はソフトマテリアルについて説明し、素材のパターン化に使用される光およびインクベースの3D印刷技術を紹介しています。
これまでの市販の3Dプリンターは、主に3Dオブジェクトのラピッドプロトタイピングに焦点を合わせていましたが、軽量およびインクベースの3次元(3D)印刷方法を実現することで、初期に高価なコストがかかる金型、ダイ、またはリソグラフィマスクを必要とせずに、材料の迅速な設計と製造が可能になる点がメリットとして挙げています。同時に、ソフトマテリアルが設計できる事で、さまざまな長さスケールにわたって、その組成とアーキテクチャをプログラム制御する事が可能になると説明しています。
印刷可能な素材の範囲が拡大し、無数のアプリケーションのイノベーションを促進することが期待されており、生物学的に着想を得た複合材料やソフトセンサー、積層造形のみが生産できるロボット工学などの事例によって示されています。
本論文中では、このような豊富な事例に加え、どのスケールであればどういう造形方法かまで紹介されており、網羅性が高い論文となっています。
論文URL:https://www.nature.com/articles/nature21003