ユーザーの入力に対して視覚的な効果を与えるインタラクティブな電気皮膚(E-Skin)は様々な視覚的なフィードバックや入力のための行動を促すといった役割を果たすことができます。しかし、これらを実現するには複数のデバイスの組み合わせや消費電力などが課題となっています。
今回提案されたSelf-powered user-interactive electronic skin(SUE-skin)の技術はtriboelectric-optical modelという原理を利用することで、加えられた応力から発電、発光することができます。
このシステムは外部電源を用いずに20kPa程度の低いトリガー圧で瞬時に可視光を発生させることが可能です。
図1. SUE-Skinの発光原理([1]のFig.2 Aより引用)
SUE-Skinの構造は一般的なTENGデバイスのように電極とカプトンの積層構造部位とその上に発光層をもうけた構造をしています。発光層はZnSとバインダーから構成されています。基材を選択することで硬いものから、皮膚より柔らかい剛性に調整することができるようです。
また本論文ではSUE-Skinに発生した電位を部位毎に読み取ることでそこに加えられた動作を電気的な信号で読み取り、メディアコントローラとして活用するデモンストレーションも提案されています。通常のデバイスと異なり、この技術の場合はユーザーに対する視覚的なフィードバックに関してはシステムでプログラムしなくても行われるという特徴を有しています。
このようにインタフェース側の機能の一部を材料やデバイス単位で実現することで機能設計の一部をシステム側で担わなくてもすむようになるかもしれません。
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[1] Zhao, X., Zhang, Z., Liao, Q., Xun, X., Gao, F., Xu, L., … & Zhang, Y. (2020). Self-powered user-interactive electronic skin for programmable touch operation platform. Science Advances, 6(28), eaba4294.参考URL:
https://advances.sciencemag.org/content/6/28/eaba4294