4Dプリンティングとヒドロゲルベースのアプリケーションに関するReview論文

Figure 1. 多様な3Dプリンティング、または積層造形(AM)技術、刺激応答性ヒドロゲル材料、および4Dヒドロゲルベースのデバイスのアプリケーションの概略図 [1]
(論文[1]のFigure 1より引用)

今消費者や業界に普及している造形技術を実現できる3Dプリンティングに加え、造形後の動作や形状変化を見越して造形する4Dプリンティングが新興分野となっています。オブジェクト自体は、3Dプリントされた構造であり、その形状、特性、および機能は、所定の刺激にさらされたときに変形することが特徴です。 2013年に初めて導入されて以来、4Dプリンティングの分野は、学界と産業界の両方から幅広い関心を集めています。一方でマテリアルとしての刺激応答性ヒドロゲルは、その優れた変形性、生体適合性、単純な製造、そして低コストである事がメリットとして挙げられています。

本レビュー論文は、南洋理工大学らの研究チームが、製造技術、材料、およびアプリケーションに基づいて、ヒドロゲルベースの4D印刷オブジェクトおよびデバイスの現在の進捗状況の概要を提供することを目的として作成され、Advanced Materials Technologiesに寄稿されています。

手法としての直接インク書き込み、溶融堆積モデリング、ステレオリソグラフィなどのさまざまな積層造形法の特性や、マテリアルとしてのポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)およびポリ(N、N-ジメチルアクリルアミド)、アルギン酸塩などのさまざまな刺激応答性ヒドロゲルの特性、そしてアクチュエーター、細胞足場、薬物放出デバイスなどの4D印刷されたヒドロゲルの多様なアプリケーションの紹介で構成されています。

4Dプリントされたヒドロゲルの機会と課題が議論され、将来の開発の見通しが詳述されていますので、興味がある方はぜひご一読ください。

URL : https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/admt.202000034