触覚の分野での課題の1つは、意味のある現実的な感覚をユーザーに提供することです。ほとんどの現実世界の触覚は複数の次元で構成されていますが、ほとんどの市販製品は振動が含まれているだけで、最も費用対効果の高いソリューションです。VRやARの世界では、HMDと呼ばれるヘッドマウントディスプレイ以外でのペリフェラルとして、多く触覚に関するデバイスが盛んに研究されています。
スタンフォード大学とFacebook Researchの研究チームは、VPS(振動、圧力、せん断の頭文字を取っている)ディスプレイを導入することを提案しています。RGBのLEDが赤、青、緑を組み合わせて新しいものを作成する方法と同様に、振動、圧力、およびせん断を組み合わせて情報伝達を向上させる多次元触覚アレイだそうです。振動、圧力、せん断(VPS)によってユーザーの皮膚を機械的に刺激できる多次元の触覚ピクセル(タキセル)には3つの自由度があり、それらを組み合わせて新しい効果を生み出すことができるそうです。
力と変位プロファイルの観点から各触覚次元のデバイス性能とダイナミクスを特徴づけ、刺激識別タスクを介してVPSディスプレイの情報伝達を評価しています。単一のタキセルを介した情報転送は、振動に圧力とせん断力を加えると、0.56ビットから2.15ビットに増加することがわかったそうです。
また、VPSの快適性と連続性を調査した結果、せん断モードのみでの触覚は、快適性と連続性で評価されることが明らかになったと報告しています。