高速で正確なポータブル診断のための多重電気化学センサープラットフォーム

eRAPID: a Platform for Portable Diagnostics [1]

電気化学センサは、糖尿病患者の在宅医療検査に進歩をもたらしましたが、他の病状の診断に対してはまだうまく活用されていません。これらのセンサは酵素の活性をベースにしていますが、人間の病状のマーカーを検出するための酵素の数は限られています。

ハーバード大学のWyss研究機構とSEAS(John A.Paulson School of Engineering and Applied Sciences)は、複雑な生体液中のアフィニティベースの電気化学検出により、在宅医療向けの多重化されたポイントオブケア診断が可能になる、と発表し、その研究成果をNature Nanotechnologyに寄稿しました。

提案しているeRapidは、低コストのアフィニティベースの電気化学センシングプラットフォームであり、わずか1滴の血液を使用して、複雑な生体液中の幅広いバイオマーカーを高い感度と選択性で同時に検出できるそうです。

標的バイオマーカーに固有のプローブが取り付けられた、新規の防汚ナノコンポジットコーティングが特徴で、ターゲットがプローブに結合すると、2番目のプローブを引き付けて、電気的に活性なコーティングされた電極表面に局所的な沈殿物の形成を引き起こす「サンドイッチ」を作成します。 生成される電気信号のサイズは、サンプルで検出されたターゲットの濃度と相関し、沈殿物が局所的に形成されるため、同じサンプルで多くの異なるバイオマーカーを並行してテストできるそうです。

[1] : https://wyss.harvard.edu/technology/erapid-multiplexed-electrochemical-sensors-for-fast-accurate-portable-diagnostics/

[2] : del Río, J. S., Henry, O. Y., Jolly, P., & Ingber, D. E. (2019). An antifouling coating that enables affinity-based electrochemical biosensing in complex biological fluids. Nature nanotechnology14(12), 1143-1149.

URL : https://www.nature.com/articles/s41565-019-0566-z