ダートマス大学らの研究チームが、ドップラーモーションセンシングを使用したインタラクティブファブリック用に開発されたタッチレスジェスチャーセンシング技術であるFabriccioを開発し、その成果を2020年度のCHI会議にて寄稿しています。
開発されたプロトタイプは、布製の基板に縫い付けられた導電性の糸で作られた一対のループアンテナ(1つは送信用、もう1つは受信用)を使用しており、 アンテナタイプ、構成、伝送ライン、および動作周波数は、製造プロセスの複雑さと、10 cmの距離で実行されるタッチレスハンドジェスチャーに対するシステムの感度のバランスをとるように選択したそうです。
ドップラーセンサーとは、センサ側から出たマイクロ波の反射を観測することで、移動する物体の速度やドップラー信号の有無で存在検知や物体検出、動作検出を行うことができる技術です。送信波と反射波の位相差を調べることで、反射物の接近を判断することができる技術です。
10人の参加者による調査を通じて、11のタッチレスジェスチャーと1つのタッチジェスチャーで提案されたセンシング技術のパフォーマンスを評価し、調査結果では、92.8%の相互検証精度と85.2%の1セッション残し精度が得られたとしています。
いくつかのアプリケーションを提示して、ソフトオブジェクトに対する手法によって可能になるユニークな相互作用を示しており、ドップラーセンシングの応用範囲の広さが伺えます。
Follow @aurordesign [1] : Wu, T. Y., Qi, S., Chen, J., Shang, M., Gong, J., Seyed, T., & Yang, X. D. (2020, April). Fabriccio: Touchless Gestural Input on Interactive Fabrics. In Proceedings of the 2020 CHI Conference on Human Factors in Computing Systems (pp. 1-14).URL : https://dl.acm.org/doi/abs/10.1145/3313831.3376681