レーザーを用いた紙上への直接書き込みパターニングプロセス

a : 紙基材に直接レーザー書き込みMCGパターニングプロセスを行い、作成された折り紙構造の光学写真
b : MCG複合材料へのレーザー変換プロセスの簡略化されたMCGプロセスの概略図
(共に[1]のFigure 1より引用)

消費者が最も身近な素材とプロセスで制作できるようにするために、多目的で低コストの製造プロセス/材料は、ペーパーエレクトロニクスの開発に不可欠です。

UCバークレーの研究チームらが、紙上に直接導電性モリブデンカーバイドグラフェン(MCG)複合材料を作成するために、レーザーを用いた直接書き込みパターニングプロセスを開発した、と報告しています。
階層的に多孔質のMCG構造は、モリブデンイオンを含むゼラチン媒介インクに浸した繊維紙から変換されます。

結果として得られるモリブデンカーバイドとグラフェンの複合材料は、電気化学イオン検出器やガスセンサー、エネルギーハーベスター、スーパーキャパシタなど、さまざまな潜在的な用途に対して機械的に安定であり、電気化学的に活性だそうです。実験的に、複合材の電気伝導率は機械的変形に対して弾力性があり、180回繰り返し折り畳み試験を750サイクル行った後の劣化は5%未満だそうです。

紙上のMCGの直接レーザー変換は、3D折り紙の折りたたみ構造を含む紙ベースの電子機器に適用できると主張しています。

[1] : Zang, X., Shen, C., Chu, Y., Li, B., Wei, M., Zhong, J., … & Lin, L. (2018). Laser‐Induced Molybdenum Carbide–Graphene Composites for 3D Foldable Paper Electronics. Advanced Materials30(26), 1800062.

URL : https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/adma.201800062