3Dプリンティング、機械工学、およびマイクロフルイディクスの専門知識を持つハーバード大学の研究チームは、最初の自律型のソフトロボットを実証したと発表し、Natureに掲載されました。
この小型の3Dプリントロボットであるoctobotは、完全にソフトで自律的な新世代のマシンへの道を開く可能性があります。
ソフトロボティクスは、人間と機械の相互作用に革命をもたらす可能性があります。 しかし、研究者は完全に準拠したロボットの構築に苦労しています。 バッテリーや回路基板などの電力および制御システムは剛性が高く、これまでソフトボディのロボットは外付けのボードに接続されるなど、ハードコンポーネントが装備されていました。
本研究では、柔らかい素材のみで構成されたロボットの開発手法について報告しています。本研究で製作したOctobotと呼ばれるロボットは、流体の流れを自律的に制御するマイクロ流体ロジックで制御されており、搭載された燃料が分解され、それによって生成されたガスが、流体ネットワークを膨張させ、その結果推進する、という機構だそうです。
ロボットのボディは、成形およびソフトリソグラフィを使用して製造され、空気圧アクチュエータネットワーク、燃料、移動に必要な触媒反応領域は、マルチマテリアルの埋め込み3Dプリントを介してボディ内でパターン化されるそうです。
これらを実現したハイブリッドなアセンブリアプローチによって、水中を泳いだり、対話するソフトロボットの実現に向けて、今後は研究を行う、と報告しています。
開発されたOctobotは空気圧ベースのアクチュエータを使用していますが、今後各コンポーネントの技術的進化や3Dプリンティングの技術開発によって、更なるソフトマテリアルのロボットが開発されそうです。
[1] : Wehner, M., Truby, R. L., Fitzgerald, D. J., Mosadegh, B., Whitesides, G. M., Lewis, J. A., & Wood, R. J. (2016). An integrated design and fabrication strategy for entirely soft, autonomous robots. Nature, 536(7617), 451.URL : https://www.nature.com/articles/nature19100