Project Jacquardは、GoogleのATAPが主導して実施したプロジェクトです。目に見えないユビキタスな双方向性を大規模に展開できる製造技術を提供することが目的、要するに衣服にデバイスをつけ、それをユーザーインターフェースとし、衣類にテクノロジーを付与する画期的な取り組みです。
既存の織物製織技術と設備を使用して安価に製造できる新しいインタラクティブ織物素材を提案している点が非常にポイントになっています。論文中にあるように、既存の製造プロセスを大幅に変更しないことでスケールメリットを考慮している、と報告しています。
開発自体は、新しい高導電性糸の設計とエンジニアリングに特化しており、テキスタイルをインターフェースとした様々なインタラクションを提供するためのベースとしている、とのことです。
糸とテキスタイルは、標準的なテキスタイル製造プロセスで製造でき、任意の色に染めたり、さまざまな素材で作ったり、衣服のデザイナーのニーズに合わせてさまざまな太さや質感にデザインしたりできるといったメリットが挙げられています。
Jacquardは様々なブランドとコラボし、新しい衣服の形を提案してくれる日が近い将来やってくるかもしれません。
[1] Poupyrev, I., Gong, N. W., Fukuhara, S., Karagozler, M. E., Schwesig, C., & Robinson, K. E. (2016, May). Project Jacquard: interactive digital textiles at scale. In Proceedings of the 2016 CHI Conference on Human Factors in Computing Systems (pp. 4216-4227). ACM.論文URL:https://dl.acm.org/citation.cfm?id=2858176