可塑化と折り紙構造で実現した制御線を備えた六面体LEDアレイ

Figure 1. 六面体LEDアレイを開発するための製造手順の写真と概略図
(論文[1]のFigure 1より引用)

フレキシブルエレクトロニクスの折り紙・切り紙は、よく開発されたシリコンベースの技術を平面回路のレイアウトに利用できるため、3Dエレクトロニクスの生産に有望な方法として知られていますが、行と列の制御線を可能にして、アドレス指定可能な3次元感覚・表示システムを開発することは、まだ課題があります。

光州科学技術院らの研究チームは、3次元化を可能にするため、ポリジメチルシロキサン(PDMS)マイクロ流体チャネルを介してN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)でアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)フィルムの選択的な可塑化を介して、回路の3次元化に成功し、その成果をAdvanced materials technologiesに寄稿しています。

作成方法は論文中に記載があるように、酸化ゲルマニウム層でコーティングされたガラス基板上に作成されたコンタクトパッド(PI / Au / Cr / PI)を備えた金属線を、水溶性テープに転写、ABSフィルムでラミネートし、銀ペーストを使用してLEDをマウント、その後PDMSマイクロ流体チャネル作成、可塑化後、LEDを備えた金属ラインが変形可能になるそうです。

マイクロ流体チャネルを使用することで、高解像度の選択的可塑化が可能となり、極端な場合には局部的に曲がったり、内側や外側に折れたりすることも可能となり、クラックが発生しないタッキングベースの折り紙が可能となったそうです。

膜型電子デバイスをABSフィルムにラミネートした後、選択的可塑化と変換を行うことで、一般的な行と列の制御線を持つ六面体発光ダイオード(LED)アレイのデモンストレーションのように、電子機器レベルでの破壊のないタッキングベースの折り紙が可能になるとしています。

[1] : Kim, G. G., Kim, Y., Yoo, S., Jang, H. S., & Ko, H. C. Hexahedral LED Arrays with Row and Column Control Lines Formed by Selective Liquid‐Phase Plasticization and Nondisruptive Tucking‐Based Origami. Advanced Materials Technologies, 2000010.

URL : https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/admt.202000010