電子部品を使わずにソフトロボットの歩行を制御する空気圧回路に関する研究

Electronics-Free Soft Legged Robot [1]

空気圧で作動するソフトロボットは、環境に適応する能力が期待できることを示しています。以前は、これらのロボットは、バルブやポンプなど、通常はかさばり、高価な電気機械コンポーネントで制御されていました。

UCサンディエゴの研究チームが、電子部品を使用せずに単純な空気圧回路を使用して、足の柔らかいロボットの歩行を制御するためのアプローチを紹介、その成果をScience Roboticsに寄稿しています。このアプローチは、センサー入力に応答して空気圧ロジックコンポーネントによって作用される生物学的中央パターンジェネレータ神経回路に類似した振動信号を生成するソフトバルブで構成されるリングオシレータを使用して、運動歩行を生成するそうです。開発されたロボットは、制御システムと作動システムの両方に電力を供給するための、一定の加圧空気源のみを必要とします。空気圧制御回路を設計して、脚ごとに3自由度の柔らかい脚の四肢の歩行を生成し、歩行を切り替えて移動方向を制御するそうです。

実験では、3つの空気圧記憶要素(バルブ)のみを使用して基本的な歩行を制御しました。 2つの発振回路(7つのバルブ)により、移動速度を270%向上させることができたとしています。
さらに、双極双投スイッチを模倣するように設計した空気圧を使用して、ロボットが全方向移動の歩行を選択し、センサー入力に応答できるようにする制御回路を設計したそうです。

娯楽用の低コストのロボット工学や、電子機器が適さない可能性のある環境で動作するシステムなどのアプリケーション向けの、電子機器のない歩行ロボットへの一歩を示したとしています。

[1] : Drotman, D., Jadhav, S., Sharp, D., Chan, C., & Tolley, M. T. (2021). Electronics-free pneumatic circuits for controlling soft-legged robots. Science Robotics6(51).

URL : https://robotics.sciencemag.org/content/6/51/eaay2627