医療資源や口腔の健康への意識の欠如により、口腔疾患はしばしば検査も治療もされずに残され、世界中の大勢の人々に影響を与えています。低コストのセンサー搭載スマートフォンの登場により、モバイルアプリは口腔の健康を促進することができそうですが、現状、モバイルヘルスソリューションは、ユーザーが自分の口腔の健康状態をサポートしている事例は少ないのが現状です。
UCLAらの研究チームが、口腔のスマートフォン写真を撮ることにより、エンドユーザーが5つの一般的な口腔状態(疾患または初期の疾患信号)を自己検査できるようにする最初のインタラクティブアプリであるOralCamを開発し、2020年度のCHI会議に寄稿しています。アンケートに回答し、スマホで写真を取るとその写真を解析することで、自分の口腔内環境の状態についてサポートしてもらえるという仕組みです。
OralCamを使用すると、ユーザーは追加情報(例:生活習慣、痛み、出血など)に注釈を付けて入力画像を補強し、出力を階層的、確率的、視覚的に説明して、一般ユーザーが検査結果を理解できるようになるそうです。歯科専門家によって注釈が付けられた3,182枚の口腔写真で構成される社内データセットに基づいて開発されたディープラーニングベースのフレームワークは、5つの条件で平均検出感度0.787を達成し、高いローカリゼーション精度を実現したと報告しています。
1週間にわたるユーザー調査(N = 18)では、ほとんどの参加者がOralCamの使用と試験結果の解釈に問題はなく、専門家にインタビューを行い、ユーザーの口腔の健康に対する意識を促進するためのOralCamの実現可能性をさらに検証しています。
[1] : Liang, Y., Fan, H. W., Fang, Z., Miao, L., Li, W., Zhang, X., … & Chen, X. A. (2020). OralCam: Enabling Self-Examination and Awareness ofOral Health Using a Smartphone Camera. arXiv preprint arXiv:2001.05621.URL : https://dl.acm.org/doi/abs/10.1145/3313831.3376238