皮膚のフィードバックを加えたHMDプロトタイプとユーザー評価

Masque: Exploring Lateral Skin Stretch Feedback on the Face with Head-Mounted Displays [1]

皮膚の伸びは、力の知覚(重量や慣性など)を誘発し、方向性のある触覚の手がかりを有効にするのに効果的であることがわかっています。ただし、仮想現実(VR)のHMD出力としての可能性は未だに未知数です。

本研究は、顔の表面に横方向の皮膚ストレッチフィードバックを生成するHMDプロトタイプであるMasqueを紹介しています。プロトタイプを使用して、許容できる皮膚の伸びを生成する方法を理解するために、快適性の調査を実施し、閾値を検討し、いくつかのスキンストレッチプロファイルを実装しています。
Masqueプロトタイプの機能を実証するために、3つのVRアプリケーションが作成され、ユーザー評価を行った結果、ほとんどの参加者が、Masqueによって生成された横方向の皮膚のストレッチがVRでの体験の楽しさとリアリズムを高めるために価値があると考えていることを示しています。

今後の研究では、精神物理学研究、マルチモーダルハプティックフィードバック、およびスキンストレッチモジュールの機械設計の修正のために、より多くの要因を探索することに焦点を当てます。

[1] : Wang, C., Huang, D. Y., Hsu, S. W., Hou, C. E., Chiu, Y. L., Chang, R. C., … & Chen, B. Y. (2019, October). Masque: Exploring Lateral Skin Stretch Feedback on the Face with Head-Mounted Displays. In Proceedings of the 32nd Annual ACM Symposium on User Interface Software and Technology (pp. 439-451). ACM.

URL : https://dl.acm.org/citation.cfm?doid=3332165.3347898

皮膚に触れることなく触覚フィードバックを与える方法

M-Hair: Creating Novel Tactile Feedback by Augmenting the Body Hair to Respond to Magnetic Field [1]

この論文では、皮膚に触れることなく体毛のみを刺激することで、触覚フィードバックを提供する新しい方法であるM-Hair、という方法を紹介しています。

この方法は、体外の磁場によって作動する体毛に受動的な磁性材料を適用することによって機能しています。過去に自分たちの子供時代に似たような遊びをしたことがあるかもしれません。

論文内で行なっているユーザー調査では、形状、サイズ、方向などの特徴を、効果的に区別するのではなく、メカニズムの価値が快感などの感情的感覚を誘発することにあることが示唆されたと報告しています。自分たちが思いも寄らない発想が、このような研究に繋がる良い事例だと思います。

最後になりましたが、本論文はUIST 2019年度に寄稿されたものです。

[1] : Boldu, R., Jain, S., Forero Cortes, J. P., Zhang, H., & Nanayakkara, S. (2019, October). M-Hair: Creating Novel Tactile Feedback by Augmenting the Body Hair to Respond to Magnetic Field. In Proceedings of the 32nd Annual ACM Symposium on User Interface Software and Technology (pp. 323-328). ACM.

URL : https://dl.acm.org/citation.cfm?doid=3332165.3347955

デバイスの位置と通信を行える拡張されたLEDライト:InfoLED

InfoLED: Augmenting LED Indicator Lights for Device Positioning and Communication [1]

拡張現実(AR)は、周囲の環境と相互作用し理解する能力を拡張する可能性を秘めています。
ただし、現在のARデバイスは、一般的な非対話型オブジェクトと変わらない電子機器を扱うため、ARの機能が大幅に制限されます。

今本論文で提案しているInfoLEDは、インジケータライトに基づいたポジショニングおよび通信システムであり、視覚的なデザインを変更することなく、位置、デバイスID、およびステータス情報をARクライアントに送信できるようにしたそうです。
高周波輝度のちらつきに対する人間の無感覚性を活用することにより、InfoLEDはインジケーターライトとしての元の機能を妨げることなく、その情報をすべて送信します。
InfoLEDは、誤動作するデバイスの診断、アプライアンスの制御、およびマルチアプライアンス構成の3つのカテゴリのアプリケーションで使用されることを想定しており、システムのパフォーマンス、パターンの人間の可読性を測定する3つのユーザー調査を実施しています。

結果、このシステムが、ユーザーのタスク完了時間を短縮し、ユーザーの身体的要求とフラストレーションを軽減できることを発見したそうです。また、2Dバーコードと比較して外観と全体的なパフォーマンスが向上しています。

本論文に書かれてあるようなアプリケーションやシステムが多く開発されることで、将来のスマートアプライアンスとのやり取りが容易になり、将来の拡張現実アプリケーションがさらに魅力的になりそうです。

最後になりましたが、本論文は2019年度UIST会議にて報告されたものです。

[1] : Yang, J. J., & Landay, J. A. (2019, October). InfoLED: Augmenting LED Indicator Lights for Device Positioning and Communication. In Proceedings of the 32nd Annual ACM Symposium on User Interface Software and Technology (pp. 175-187). ACM.

URL : https://dl.acm.org/citation.cfm?doid=3332165.3347954

テキストからスケッチを生成できるニューラルネットワークシステム:Sketchforme

Sketchforme: Composing Sketched Scenes from Text Descriptions for Interactive Applications [1]

スケッチと自然言語は、インタラクティブなアプリケーションにとって効果的なコミュニケーションメディアです。 特にグラフィカルレコーディングといった手法で会議の理解を得ている事例もありますし、画像や絵を用いた方が理解が促進するタイプの人もいます。

本論文では、ユーザーが指定したテキスト記述に基づいてスケッチを生成できる、最初のニューラルネットワークベースのシステムSketchformeを紹介しています。
Sketchformeは、マルチオブジェクトスケッチシーンの高レベルおよび低レベルの理解をすることができるそうです。
また、このシステムを使用したスケッチは非常に人間味があり、ユーザー調査では複数のケースで人間が生成したスケッチよりも表現力が高い、という結果を得る事に成功していたり、スケッチの36.5%が人間が生成したと見なされたそうです。

これらの生成されたスケッチを使用して複数の対話型アプリケーションを開発し、Sketchformeが言語学習アプリケーションを大幅に改善する事を著者らは期待しており、インテリジェントな言語ベースのスケッチアシスタントをサポートできることも示唆している、と主張しています。

最後になりましたが、本論文は2019年度UIST会議に寄稿されたものです。

[1] : Huang, F., & Canny, J. F. (2019). Sketchforme: Composing Sketched Scenes from Text Descriptions for Interactive Applications. arXiv preprint arXiv:1904.04399.

URL : https://dl.acm.org/citation.cfm?doid=3332165.3347878

1 50 51 52 53 54 55 56 86