拡張性をもたせたオープンソースの新しいマルチヘッド3Dプリンタワークフロー:Jubliee

Jubilee: An Extensible Machine for Multi-tool Fabrication [1]

ワシントン大学の研究チームが自動工具交換および交換可能なベッドプレートを備えたオープンソースのハードウェアマシンであるJubileeを開発し、2020年度のCHI会議に寄稿しています。

デジタルファブリケーションツールがより広くアクセスできるようになるにつれて、マシンを新しいユーザーに合わせて調整し、新しいワークフローが生まれ、そのワークフローがHCIの研究の中心になります。ただし、ハードウェアインフラストラクチャがないため、カスタムアプリケーションの開発が非常に面倒になるという課題があります。

そこで、HCIの研究者が製造、材料探索、その他のアプリケーションのワークフローを開発できるようにする拡張可能なプラットフォームの必要性を埋めるために開発されたJubileeは、同じ操作でツールを自動的かつ繰り返し変更できるそうです。
シンプルな3Dプリントされた、簡単に入手できるパーツを組み合わせて構築でき、3Dプリンティング、シリンジベースのリキッドハンドリング、イメージング、プロットなど、さまざまなアプリケーションに対応するいくつかの標準ヘッドデザインを持つことで拡張性を担保しています。

開発されたJublieeには、ユーザーが設計したツールとベッドプレート用の包括的な組み立て手順とキネマティックマウントテンプレートのセットを提供することで汎用性をもたせる戦略だそうです。論文では、ジュビリーのマルチツールワークフロー機能と一連のサンプルアプリケーションを示しています。

[1] : Vasquez, J., Twigg-Smith, H., Tran O’Leary, J., & Peek, N. (2020, April). Jubilee: An Extensible Machine for Multi-tool Fabrication. In Proceedings of the 2020 CHI Conference on Human Factors in Computing Systems (pp. 1-13).

URL : https://dl.acm.org/doi/abs/10.1145/3313831.3376425

複雑な曲面でもディスプレイを作れるスプレー式のEL製造手法:ProtoSpray

ProtoSpray: Combining 3D Printing and Spraying to Create Interactive Displays with Arbitrary Shapes [1]

ブリストル大、MIT CSAILらの研究チームが、3D印刷とスプレーコーティングを組み合わせて、任意の形状のインタラクティブなディスプレイを作成する製造方法であるProtoSprayを提案し、その成果を2020年度のCHI会議に寄稿しました。このアプローチは、3D形状のベース電極を作成するために3D印刷された導電性チャネルを新規に使用し、物質の噴霧と組み合わせてディスプレイを生成します。

さまざまな形状のトポロジを探索する6つの評価で、この組み合わせアプローチの実現可能性と利点を示しています。スプレーの向き、表面のトポロジ、プリンタの解像度などの要因を分析し、スプレーノズルを従来の3Dプリンタに統合する方法について説明します。 メビウスの帯のように複雑な曲率を持つオブジェクト上にディスプレイを作成できるようにすることで、既存の製造技術を超える手法を示す一連のProtoSprayedオブジェクトを紹介しています。

メーカーがディスプレイを製作材料として使用できるようにするためのプラットフォームを提供する、としています。

[1] : Hanton, O., Wessely, M., Mueller, S., Fraser, M., & Roudaut, A. (2020, April). ProtoSpray: Combining 3D Printing and Spraying to Create Interactive Displays with Arbitrary Shapes. In Proceedings of the 2020 CHI Conference on Human Factors in Computing Systems (pp. 1-13).

URL : https://dl.acm.org/doi/abs/10.1145/3313831.3376543

ワシントン大とFacebookらが触覚フィードバックを提供するアクチュエーターChasmを開発

Chasm: A Screw Based Expressive Compact Haptic Actuator [1]

ワシントン大学およびFacebook Reality Labの研究チームが、ウェアラブルおよびハンドヘルドデバイスに表現力のある触覚フィードバックを提供するコンパクトなブロードバンドリニアアクチュエーターChasmを開発し、その成果を2020年度のCHI会議にて報告しています。

ギアヘッドが組み込まれた通常のモーターベースのハプティックデバイスとは異なり、Chasmはモーターシャフトに連結された小型の親ねじを利用しているため、追加のトランスミッションなしでモーターの高速回転を直線運動に直接変換できるそうです。

このシンプルさにより、Chasmは低周波の皮膚ストレッチと高周波の振動を同時にかつ独立してレンダリングできます。
論文内では
・アクチュエータアセンブリの設計を提示し、その電気機械的および知覚的性能を検証
・使用例を探り、デバイスプロトタイプにChasmを埋め込むための設計ソリューションを提示
・VRでの実施形態、歩行の手がかりを誘発するヘッドギアバンドと動的な手動操作を強化するハンドヘルドポインターでのChasmによる調査
を報告しており、仮想および拡張設定でのユーザーインタラクションとエクスペリエンスの強化において、Chasmが適用できる範囲が広いことについて主張しています。

[1] : Preechayasomboon, P., Israr, A., & Samad, M. (2020, April). Chasm: A Screw Based Expressive Compact Haptic Actuator. In Proceedings of the 2020 CHI Conference on Human Factors in Computing Systems (pp. 1-13).

URL : https://dl.acm.org/doi/pdf/10.1145/3313831.3376512

台湾大学が開発したアーケードのためのハプティクスデバイスプラットフォーム

Haptic-go-round: A Surrounding Platform for Encounter-type Haptics in Virtual Reality Experiences [1]

台湾大学の研究チームが、バーチャルリアリティエクスペリエンスのあらゆる方向に触覚フィードバックを提供するための小道具とデバイスの展開を可能にする周辺プラットフォームであるHaptic-go-roundを開発し、2020年度のCHI会議に成果報告しています。

Haptic-go-roundの重要なコンポーネントは、適切なハプティックデバイスを適切なタイミングで適切な方向に回転させて、ユーザーが触れようとしているものに一致させるモーター駆動のターンテーブルです。カートリッジとソフトウェアインターフェイスを含む実用的なプラットフォームを実装しました。これにより、エクスペリエンスデザイナーは触覚コンポーネントをすばやく追加し、アプリケーションにプラットフォームを使用できるとのことです。

Haptic-go-roundの技術的な実験と2つのユーザー調査を実施して、そのパフォーマンスを評価しています。こういった研究は、将来のVRアーケード、エンタテインメント業界での実現可能なソリューションになりそうです。

[1] : Huang, H. Y., Ning, C. W., Wang, P. Y., Cheng, J. H., & Cheng, L. P. (2020, April). Haptic-go-round: A Surrounding Platform for Encounter-type Haptics in Virtual Reality Experiences. In Proceedings of the 2020 CHI Conference on Human Factors in Computing Systems (pp. 1-10).

URL : https://dl.acm.org/doi/abs/10.1145/3313831.3376476

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