銀ナノワイヤーとPDMSを用いた小型無人飛行機用の対気速度センサー

Figure 1. AgNW-PDMSリボンの製造プロセスの概略図 [1]
(論文[1]のFigure 2より引用)

マイクロエアビークル(MAV)を効率的に制御およびナビゲートするには、小型、軽量、耐久性、高感度、高速、低電力の対気速度センサーが必要です。これらの要件を満たすようにセンサーを設計する場合、柔軟な材料は、それらが耐えることができる大きな変形のために、より伝統的な材料の代替品として有望です。

ストックホルム大学らの研究チームが、小型無人飛行機(MAV)を効率的に制御およびナビゲートするための必要なすべての基準を満たす弾性フィラメント速度測定に基づいた、柔らかいマテリアルフローセンサーの新しいコンセプトを開発し、その成果を2020年度のSoft Roboticsに寄稿しています。
この手法は、2つの支持体の間に吊り下げられ、対象の流れにさらされている柔らかいリボンのひずみに関連付けることによって、流速を測定しています。

リボンはポリジメチルシロキサンから製造されており、銀ナノワイヤーを追加することでピエゾ抵抗性にすることができ、この製造方法であれば、センサーはクリーンルームの外で一般的なラボツールを使用して作成できるため、大幅にシンプルにできるとしています。
さらに、シンプルな回路を使用して操作でき、ピエゾ抵抗材料を使用すると、歪んだリボンの抵抗変化に合わせて流速を調整できるとしています。
ポリマークリープなどの特定の課題は未解決のままですが、センサーは、実験を通じて空気中で最低4 m / sまでの流速を測定する能力を実証したとしています。時間依存の分析モデルでは、現在のセンサーの帯域幅が480 Hzであることを示していおり、センサーの感度と帯域幅は、リボンの形状と材料特性を変更することで変えることができるとしています。

[1] : Sundin, J., Kokmanian, K., Fu, M. K., Bagheri, S., & Hultmark, M. (2020). A Soft Material Flow Sensor for Micro Air Vehicles. Soft Robotics.

URL : https://www.liebertpub.com/doi/10.1089/soro.2019.0130

ソフトロボットのための3Dプリントを使ったマイクロスケールのアクチュエータ開発

3D Printing Microactuators for Soft Microrobots [1]

ソフトロボットデバイスの3次元(3D)およびいわゆる4次元印刷を含む現在の積層造形は、ミリメートルサイズに制限されています。

スウェーデンのリンショーピング大学の研究チームが、マイクロメートルスケールでさらに小さな構造を製造するために、ソフトマイクロアクチュエータとマイクロロボットの積層造形を実施、その成果を2020年度のSoft Roboticsに寄稿しています。

特注の押し出し3Dプリンターを使用して、マイクロアクチュエーターは300・1000μm2のサイズに縮小され、最小厚さは20μmを達成しており、マイクロスケールのアクチュエータを製造しています。

アクチュエータを駆動するために印刷された本体と電気活性ポリマーを組み合わせたマイクロアクチュエータは、デバイス構造のコンピュータ支援設計モデルから製造したそうです。
3D印刷プロセスの使いやすさと多様性を実証するために、1000から5000μmの範囲の長さのさまざまな長さのマイクロアクチュエータを製造、評価しています。同様に、リジッドボディと個別に制御される自由に動く腕または脚で構成されるマイクロロボットデバイスを3Dプリントし、簡単な積層造形技術によって、ソフトグリッパー、マニピュレーター、またはマイクロロボットの微細加工を探索した結果を紹介しています。

本論文以外にも記事もありますので、末尾に紹介しておきます。

[1] : Tyagi, M., Spinks, G. M., & Jager, E. W. (2020). 3D Printing Microactuators for Soft Microrobots. Soft Robotics.

URL : https://www.liebertpub.com/doi/10.1089/soro.2019.0129

[2] : https://liu.se/en/news-item/soft-robots-3d-printed-in-sub-millimeter-sizes

カエルを模擬した泳ぐソフトロボットの開発

Soft Robotics (@SoftRobotics_JN) | Twitter
Figure 1. プロトタイプの構造図(a,bは間接部位有りのプロトタイプ図、cは既存ロボットとの比較) [1]
(論文[1]のFigure 7より引用)

ハルビン工業大学の研究チームが、カエルに触発された水泳ソフトロボットを開発し、その成果を2020年度のSoft Roboticsに寄稿しています。

ロボットの関節は、関節式の空気圧ソフトアクチュエータでできており、このソフトアクチュエータは、カエルの生物学的構造と四肢の動きの特性を研究することによって設計および準備したそうです。

運動学的モデルに基づいてロボットの概略的な四肢運動図を作成し、設計スキームは複合制御システムによって決定しており、胴体サイズは0.175・0.100・0.060mで、カエルをイメージした水泳ロボットの小型化を実現したとしています。
実験結果は、直線運動中の平均回転速度が0.075 m / s、平均回転速度が15 / sであることを示したそうで、ロボットの構造設計の合理性と制御システムの正当性は、プロトタイプ実験によって検証したとしています。

[1] : Fan, J., Wang, S., Yu, Q., & Zhu, Y. (2020). Swimming Performance of the Frog-Inspired Soft Robot. Soft Robotics.

URL : https://www.liebertpub.com/doi/10.1089/soro.2019.0094

人間の姿勢推定精度を向上するための将来のフレーム予測アルゴリズムの開発

ActiveMoCap: Optimized Viewpoint Selection for Active Human Motion Capture [1]

単眼3D人間の姿勢推定の精度は、画像がキャプチャされる視点に依存します。 ドローンなどの自由に移動するカメラはこの視点を制御できますが、最高の精度が得られる位置にカメラを自動的に配置すると、未解決の問題が残ります。

EPFLとMicrosoftの研究チームが、短いビデオシーケンスを前提として、3Dの人間の姿勢推定精度を最大化するために、将来のフレームをキャプチャするためにどの視点を選択するかを予測するアルゴリズムを開発し、2020年度のCVPRに寄稿しています。

このアプローチの根底にある重要なアイデアは、3Dボディポーズ推定の不確実性を推定する方法で、ディープラーニングベースのリグレッサと時間的な滑らかさに起因する不確実性のいくつかのソースを統合します。 本手法によるモーションプランナーは、改善された3Dボディポーズの見積もりを生成し、人の追跡と軌道に基づく既存のポーズよりも優れているか、一致すると主張しています。実装自体はPythonで行っており、PyTorchの自動微分を使用して、二次導関数を導出している、と記載しています。

[1] : Kiciroglu, S., Rhodin, H., Sinha, S. N., Salzmann, M., & Fua, P. (2020). ActiveMoCap: Optimized Viewpoint Selection for Active Human Motion Capture. In Proceedings of the IEEE/CVF Conference on Computer Vision and Pattern Recognition (pp. 103-112).

URL : https://www.microsoft.com/en-us/research/publication/activemocap-optimized-viewpoint-selection-for-active-human-motion-capture/

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