樹脂の自己組織化と熱硬化プロセスを用いた人工木の製造方法の開発

Bioinspired polymeric woods [1]

木材はその優れた機械的性能により、エンジニアリング材料にバイオインスピレーションを提供してくれます。

中国科学院らの研究チームが、類似のポリフェノールマトリックス材料、木材のような細胞微細構造、および従来の樹脂の自己組織化と熱硬化プロセスによるバイオインスパイアードポリマーウッドの製造プロセスを開発し、その成果をScience Advancedに寄稿しています。

天然木材とは対照的に、ポリマー木材は同等の機械的特性(最大45 Paの圧縮降伏強度)、機械的特性の低下なしに酸に対する好ましい耐食性、およびはるかに優れた断熱性および難燃性を示しているそうです。これらのバイオインスパイアードポリマーウッドは、特定の強度と断熱特性の点で、セルラーセラミック材料やエアロゲルのような材料などの他のエンジニアリング材料よりも優れているそうです。

使用している材料は共に水溶性のフェノールホルムアルデヒド樹脂とメラニンホルムアルデヒド樹脂でも、図1に示されているように色が異なっていることがわかります。論文中には構造体内のSEM画像や密度と機械的な構造耐性などもデータとして取得しているようです。

階層的な細胞微細構造と驚くべき多機能性を備えた一連の高性能な生体模倣工学材料の大量生産の新しい可能性を提供できる、としています。

[1] : Yu, Z. L., Yang, N., Zhou, L. C., Ma, Z. Y., Zhu, Y. B., Lu, Y. Y., … & Gao, H. L. (2018). Bioinspired polymeric woods. Science advances4(8), eaat7223.

URL : https://advances.sciencemag.org/content/4/8/eaat7223