カーネギーメロン大学の研究チームが開発した高速点滅するインジケーターを用いたARマーカー

LightAnchors: Appropriating Point Lights for Spatially-Anchored Augmented Reality Interfaces [1]

拡張現実(AR)の世界では、デジタル情報を日常のオブジェクトに正確かつ瞬時にオーバーレイする体験が求められており、当然のように技術に関しても同様の要求があります。

カーネギーメロン大学の研究チームは、空間的にデータを表示するための新しい方法であるLightAnchors、という手法を開発し、2019年度のUIST会議にて発表しています。
インビューアンカーリングとデータ送信の両方に、LEDや電球などの一般的なポイントライトを利用しており、これらのライトは高速で点滅し、データをエンコードしているそうです。
ハードウェアやソフトウェアを変更せずに、iOS上で実行される概念実証アプリケーションを構築しました。

本論文および動画内で11のサンプルデモを作成して、アプローチの可能性を強調しています。
動画を見てもわかるように現状のアプリケーション事例でも、ユーザーの負荷が軽くなりそうです。
ただ、今後の課題部分にも書かれていますし、論文内にもデータがありますが、カメラのフレームレートやプロセッサによってビットレートが制限されているため、スマートフォンの機種差分が見られています。今後の高速フレームレートのカメラやプロセッサの普及等で、こういった課題が一つずつ解消されていくかもしれません。

[1] : Ahuja, K., Pareddy, S., Xiao, R., Goel, M., & Harrison, C. (2019, October). LightAnchors: Appropriating Point Lights for Spatially-Anchored Augmented Reality Interfaces. In Proceedings of the 32nd Annual ACM Symposium on User Interface Software and Technology (pp. 189-196). ACM.

URL : https://dl.acm.org/citation.cfm?doid=3332165.3347884