UCサンタバーバラらの研究チームが提案するソフトアクチュエータを利用したファブリック構造

「Fluidic Fabric Muscle Sheets for Wearable and Soft Robotics」の画像検索結果
Figure 1. FFMSが影響を受けた筋肉の概要図とFFMSを用いたプロトタイプ概要図 [1]
(論文[1]のFigure 1より引用)

ロボットシステムは、大きな表面積を持つ構造物を作動させたり、ウェアラブルな衣服を通して力を与えたり、自律型ロボットシステムを実現したりする用途にも使用される可能性があり、人体能力の拡張など、様々な用途が検討されています。。

UCサンタバーバラらの研究チームはFluidic Fabric Muscle Sheets(FFMS)と呼ばれるソフトアクチュエータの新しい構造を紹介しています。弾性チューブの配列に基づいて流体伝達を統合する複合ファブリック構造です。
これらのシート状のアクチュエータは、人体を含む任意の形状またはサイズの硬いまたは柔らかい物体に歪み、圧迫、曲げ、および順応することができます。生成可能な応力とひずみの分布を決定するコンピューター化された縫製技術を含む、簡単なアパレルエンジニアリング手法により、FFMSアクチュエーターを設計および製造する方法を示しています。

また、論文内では、パフォーマンスを予測するのに効果的であることが証明された単純な数学モデルを提示しており、FFMSは5 Hz以上の周波数で動作し、100%を超える工学的ひずみを達成し、重量の115倍以上の力を発揮するそうです。

様々なボディまたは構造を作動させ、曲げや形状の変化を含む多軸作動を実行する構成で、その汎用性を実証しており、ウェアラブルおよび生物医学用途の体組織に力を加えることができる、と主張しています。
小型の操縦可能なロボット、把持補助用の手袋、四肢に圧迫を加えるための衣服、局所的な皮膚の伸張を介して小さな身体領域または組織を作動させるための装置など、いくつかの潜在的なユースケースを示しています。

[1] : Zhu, M., Do, T. N., Hawkes, E., & Visell, Y. (2020). Fluidic fabric muscle sheets for wearable and soft robotics. Soft Robotics.

URL : https://www.liebertpub.com/doi/10.1089/soro.2019.0113