雨滴、川や海の波、潮などの形で水からエネルギーを収穫するために、多大な努力が払われてきましたが、高密度の発電を達成することは困難です。従来の水力発電では、主に重くてかさばる電磁発電機が使用され、低給水では効率が悪くなります。これに代わる水滴/固体ベースの摩擦電気ナノ発電機は、電荷生成と移動の特性に見られるように、界面効果によって課せられる制限により、固液もしくは液体同士の界面において、1平方メートルあたり1ワット未満のピーク電力密度を生成しました。
香港大学らに所属する研究チームが、インジウムスズ酸化物基板上のポリテトラフルオロエチレンフィルムとアルミニウム電極を含むアーキテクチャを使用して、衝突する水滴からエネルギーを収集するデバイスを開発し、その研究成果をNatureに寄稿しています。
原理的にはデバイスに衝突した水滴が広がると、元々切断されていたコンポーネントが閉ループの電気システムにブリッジされ、従来の界面効果がバルク効果に変換されるため、界面効果によって制限される同等のデバイスよりも瞬時に電力密度が数桁向上することがわかったと報告しています。
論文中に記載がありますが、今回発表している液滴ベースの発電機(DEG)は、フッ素化材料に水滴が連続的に衝突すると、その表面に高い電荷密度が誘導されることを示す最近の研究に基づいており、DEGのデバイスは、酸化インジウムスズ(ITO)でコーティングされたガラス基板上に、アルミニウムの小片を堆積したポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のドロップキャスティングを使用して製造されているそうです。
Follow @aurordesign [1] : Xu, W., Zheng, H., Liu, Y. et al. A droplet-based electricity generator with high instantaneous power density. Nature (2020).URL : https://www.nature.com/articles/s41586-020-1985-6#Sec14