植物の動きに触発された動的に変化するアーキテクチャを実現する4Dプリンティング

4D Printing: Shapeshifting Architectures [1]

ハーバード大学の研究機関であるWyss Instituteが時間の経過とともに形状を変化させることができるハイドロゲル複合アーキテクチャを提案、その構造体を印刷したと発表し、その研究成果をNature materialsに寄稿しました。

形状モーフィングシステムは、スマートテキスタイル、自律型ロボット、薬物伝達および組織工学を含む多くの分野で見られます。このようなシステムは、自然の花や植物などが持つさまざまな器官が、環境刺激(湿度、光、タッチなど)に反応し、動的なコンフォメーションを作り出す組織構造や微細構造に類似していると言えます。

こういった植物システムに触発され、規定された4次元印刷経路に沿ったセルロースフィブリルの配列によって制御される、局所的な異方性膨潤挙動でエンコードされた複合ハイドロゲル構造を印刷したと報告しています。
所定のターゲット形状のアライメントパターンを設計するという逆問題を解決できる、最小の理論的フレームワークと組み合わせると、水に浸漬すると形状が変化するという、植物の動きに触発されたアーキテクチャをプログラム可能に作成し、複雑な3次元形態を生み出すことができます。

本研究は、生体適合性と柔軟性のあるインク設計により、組織工学、生物医学デバイス、ソフトロボット工学などのデザイナーの形状変更アーキテクチャを作成するための新しい道を開く、と主張しています。

[1] : Gladman, A. S., Matsumoto, E. A., Nuzzo, R. G., Mahadevan, L., & Lewis, J. A. (2016). Biomimetic 4D printing. Nature materials15(4), 413.

URL : https://www.nature.com/articles/nmat4544#citeas