コロンビア大学の研究チームが、物体に肉眼ではわからないタグをつける技術であるAirCodeを発表しました。技術的には、オブジェクトの表面の下に配置されたエアポケットを配置してその中にコードを埋め込んでおり、このエアポケット自体は、追加の材料や後処理なしで、オブジェクトの製造プロセス中に簡単に作成することができるそうです。
原理は簡単で、物体に対する光の反射自体は表面状態が変化すれば変わるのですが、物体内部に作った空気のポケットは表面下の散乱光の反射にのみ影響するため、計算イメージング法を使用すると、タグが検出可能になるそうです。 ユーザーが情報をエンコードするためのエアポケットの設計を自動化するツールを提供することで、メタデータの埋め込み、ロボットによる把握などのアプリケーションを使用して、タグ付けの手法を示してくれています。
論文の議論部分に書いてある本技術の課題は最もな内容なので、興味があれば一読いただければと思います。勘の良い方はお気づきだと思いますが、表面状態の変化や材料による制限、他の代替技術が存在する可能性など、論文を読むとこの技術の課題に気づきますが、着眼点が非常に面白い論文になっています。
[1] Li, D., Nair, A. S., Nayar, S. K., & Zheng, C. (2017, October). Aircode: Unobtrusive physical tags for digital fabrication. In Proceedings of the 30th annual ACM symposium on user interface software and technology (pp. 449-460). ACM.URL : https://dl.acm.org/citation.cfm?id=3126594.3126635